2023年
1月29日(日)

全文を読む

歴史ある空間を後世に 県営野球場をデータ保存 あさぬま土地家屋調査士法人など

2022-11-29

 3Dスキャナーを用いて、県営野球場のデータ保存を進める浅沼代表

 盛岡市本宮に本社を置くあさぬま土地家屋調査士法人(浅沼智之代表)と、同法人が測量技術を一般向けに提供するために設立したM―works(浅沼智之社長)が、今年度で閉場する同市三ツ割の県営野球場をデータ保存する取り組みに着手している。3Dレーザースキャナーを用いて測量、撮影を行い、球場の景色を立体的にデータ化。多くの人が愛着を持つ球場を後世に残そうと、積み重ねてきた老舗の仕事と最新技術を駆使する。

 同法人は1952年に、浅沼代表(43)の祖父の長治さんが土地家屋調査士・司法書士事務所として開業。以来70年、3代にわたり、境界測量などで不動産関係やハウスメーカーの依頼、公共事業などを請け負っている。

 昨年、県から同球場の土地の測量の依頼を受けた際、無償でデータに残すことを提案していた。

 28日に測量、撮影を開始。測量用の3Dレーザースキャナーは普段、点群データを取って図面を作成するために用いており、今回はその点群データに写真を貼り付けて、球場内の風景をリアルに保存する。グラウンドやスタンド、敷地内など約500カ所で、1カ所2分ほどの撮影と測量の作業を行う。

 完成したデータは、編集やチェックを経て、県や同法人のウェブサイトで公開予定。

 データ化して残すことで、将来的に仮想空間メタバース化などの活用も見込める。例えば、ゲーム用ソフトウェアによって、仮想空間上の県営野球場での試合開催なども、理論上は可能になる。

 浅沼代表は「盛岡、岩手という地方だからこそ貴重なデータが取れるのでは。土地をどう使うか、その元になること。測量がすべての始まりで、いままでの歴史とやっていることは同じ」と胸を張る。

 浅沼代表自身にとっても、同球場は、高校時代の野球応援やプロ野球観戦で訪れていた思い出の場所。「この球場に思いを寄せてきた人に、記憶を資料として残したい。未来の子どもたちに、大谷翔平選手や菊池雄星選手らが投げた球場を見せることで、岩手から次のスターが出てくれたら」と思いを込めた。



前の画面に戻る

過去のトピックス