2019年
12月15日(日)

おかげさまで創刊50周年

全文を読む

認知症の住民に優しい街 盛岡市青山地区 支え合い取り組み継続 声掛け、保護、通報まで

2019-11-05

認知症役の協力者(右)に声掛けする参加者

 盛岡市の青山地区活動推進会と同地区まちづくり協議会は、地域包括支援センターなどと連携して、認知症の住民も暮らしやすい支え合いの取り組みを継続している。今年で3度目となる声掛け・保護訓練を10月25日に実施。約120人が参加した。今回は西青山3丁目町内会内を会場に、認知症役の協力者に対する声掛け・保護・通報の一連の流れに挑戦した。盛岡西署が協力した他、花巻、北上両市の福祉担当職員が視察に訪れた。

 参加者はグループに分かれ、西青山3丁目町内会内を徘徊する認知症役の協力者を探した。地図が渡されたが、青山地区の中でも居住者でなければ迷子になってしまうエリア。グループに必ず一人、同町内会の案内役が配置された。

 あるグループは二手に分かれて探索。ようやく認知症らしき人物が公園で花を摘んでいるのを見つけた。実際に声を掛けるのは躊躇(ちゅうちょ)があった。認知症役女性が迫真の演技を見せ、意を決して話し掛けても「何ですか」、「さようなら」などと見知らぬ相手に心を開かず立ち去ろうとされた。

 参加した青山3丁目の女性(74)はグループ内で積極的に声を掛けた。相手は自分からどんどん離れてしまい、手を焼いた。

 「なかなか説得できない。訓練なので連れていく前提でも、失礼をしてはいけない。素敵な洋服ですね、お花ですねと、とっかかりを作ればと思った。拒否されても受け入れてもらわないといけない。少しでも力になりたい」と訓練の必要性を痛感していた。


簗田会長(左前)があいさつした開会行事

 同地区民生委員協議会会長の佐藤誠さん(71)は保護後、最寄りの施設で警察への通報に挑戦した。「声掛けするのは難しい。相手が活発に動き回る方だと、きっかけが作れない。地元の町内会なら、見知らぬ方が公園などにいれば声を掛けやすい」。

 盛岡西署生活安全課によると、管内で65歳以上の迷い人は過去5年間平均で年70~100件あった。4日に1件のペースで、同一人物の場合もある。通報は「いつ」、「どこで」、「何があったか」を伝え、少なくとも相手の名前、可能なら連絡先や住所も聞くよう指南。会話のできない人には無理をしないよう助言する。

 同課の小田光二生活安全係長は「一般からの通報による保護なら、早く家族の元へ返すことができる」と協力を呼び掛けた。

 地区活動推進会の簗田幸会長によると、今年9月の敬老会時期、青山3丁目で施設から抜け出した認知症のお年寄りが保護された。声掛けして公民館まで誘導すると、知り合いがいたため関係者に迎えにきてもらえた。警察の協力を得ずに事なきを得たという。
 
「継続して取り組み、困った人がいたら気軽に声を掛けてほしい。認知症の方に優しいまちづくりに務めたい」と話していた。

 青山地区では2017年度から訓練を展開。地区内の各町内会を会場に今後も継続させる予定。
    (大崎真士)



前の画面に戻る

過去のトピックス