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- バター作りや乳牛との触れ合い 北松園小で酪農出前授業
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2023-11-10
子牛の心臓の音を聞いて、笑顔を見せる児童
北松園小(有馬賢校長、生徒210人)で9日、児童らが牛乳や酪農についての関心と正しい知識を高める酪農出前教室が行われた。県牛乳普及協会が、今年度県内23校で開催している教室で、5年生33人が参加。授業やバター作り、乳牛との触れ合いなどの体験を通して、給食などで飲んでいる牛乳、酪農家の仕事などに理解を深めた。
児童たちは、初めにJA全農いわて酪農課による授業で乳牛や生乳について学んだ後、小岩井乳業の指導でバター作りを体験した。
生クリームと食塩をカップに入れて振り、徐々にバターができていく様子を観察。完成品は、パンに塗って試食した。
真剣なまなざしで、成牛の搾乳に挑戦
小松諒さん(11)は「いっぱい振って疲れた。200回以上は振ったかな。塩を入れすぎて、ちょっとしょっぱい」と笑顔で頬張り、食の化学を体感していた。
続いて、酪農家の小関利昭さん、岩手花平農協、JA全農いわてなどの協力で、乳牛(ホルスタイン)の5歳の成牛の搾乳、生後2カ月の子牛との触れ合いを体験。学校の敷地内にトラックでやってきた2頭を、児童たちは興味津々で見詰めた。
成牛の体の大きさに圧倒されつつも、こつを教わりながら優しく搾乳。聴診器で子牛の心臓の音を聞き、柔らかな体の毛並みに触れて、「かわいい」と目を細める姿も見られた。
バター作りを体験して完成品を試食
河合理奈さん(10)は「やったことがなかったので不安だったけど、楽しくできた。ウシに感謝して牛乳を飲もうと思った」と振り返った。
県牛乳普及協会によると、円安やロシアのウクライナ侵攻などの影響で、2022年の配合飼料の価格は20年と比べ1・5倍ほどに高騰。併せて、子牛の価格が下落したことも、生産者には重い負担となっている。
同協会の及川潤専務理事(63)は「子どもたちに乳牛や酪農家について知ってもらい、完全食品と言われている牛乳をたくさん飲んでもらいたい」と期待を込めた。
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