2023年
12月8日(金)

全文を読む

国重文で総合学習 日詰小の5年生が平井邸訪問 日本文化など学ぶ

2023-11-17

平井邸の和室で茶道を体験する日詰小の5年生

 紫波町立日詰小(森和佳子校長、児童385人)の5年生が16日、国指定重要文化財に指定されている同町日詰の日詰平井邸を訪れ、茶道を通じた和室でのマナーや平井邸の歴史と今後について学んだ。同校では今年度から総合的な学習の時間を活用し、地域学習「花に虹タイム(仮)」を展開。学年に応じ、日詰商店街などを舞台として地域とのかかわりについて学んでいる。今回の訪問も地域学習の一環で、5年生57人は築102年の歴史的な建造物で日本文化に触れるとともに、復活に向けた取り組みが進む平井邸から目標設定の重要さなどを学び取った。

 平井家16代当主の平井佑樹さん(32)は、進行中の平井邸復活プロジェクトについて児童に説明した。

 平井邸は、1921年に佑樹さんの高祖父である12代平井六右衛門が建てた建物で、2016年に国の重要文化財に指定。22年ころからイベントなどで活用してきた。

 佑樹さんは、平井邸を「人々の交流拠点」と「醸造所」を兼ね備えた「まちの家」として次代に伝えるべく取り組みを進めている。平井邸の醸造所としての機能を使い、「新しい、自由なクラフトサケをつくりたい」と意気込みを示した。

 事業費を広く募ったクラウドファンディングでは、予定額の4倍を超える支援を受けたと説明し、「多くの人に背中を押してもらった」と感謝も述べた。


「クラフトサケ」に用いる麹を原料とした甘酒を振舞う平井佑樹さん

 醸造は来年1月にも始まる予定。児童には、平井邸で新たに醸造する「クラフトサケ」で用いる予定の麹で作った甘酒も振る舞われた。

 茶道体験は、同町の宇部真澄さんらが講師を担当。宇部さんらは入室の仕方や座礼の仕方など和室でのマナーに始まり、抹茶の立て方や飲み方、お茶菓子の食べ方などを指導した。児童は緊張した様子で教わった通りに茶碗を手に取り、お茶菓子と抹茶を味わった。

 河野夕日さん(11)は「平井邸に入るのは初めてだった。昔から建っていたのは予想できたが、中に入ると、当時の大工さんの技術の素晴らしさも感じられた。茶道体験では、お茶碗の持ち方などを教えてもらったので、機会があれば家でもやってみたい。目標を立てて、それに向かう平井さんはかっこいいと思う。これからも頑張ってほしい」と感想を話した。 



前の画面に戻る

過去のトピックス