2024年
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「創造する伝統賞」受賞 盛岡出身、米在住の黒澤有美さん 箏音楽の発信など高評価

2023-12-06

黒澤有美さん

 日本の文化・芸術分野で飛躍が期待される人を顕彰する第15回「創造する伝統賞」(日本文化藝術財団主催)で、盛岡市出身の箏曲演奏家で作曲家の黒澤有美さん(48)=米・ニューヨーク在住=が受賞者に選ばれ、ニューヨークを拠点とした箏音楽の発信と、その可能性を広げる活動が高く評価された。授与式典は、東京都港区の明治記念館で2024年2月14日に開かれる。

 黒澤さんは国内での演奏活動を経て、02年に渡米。演奏会やプロジェクトを通して日本の箏とあらゆる文化との融合に取り組んできた。ニューヨークで作曲を始め、今年3月に黒澤有美トリオとしてリリースしたCDアルバム「Metamorphosis」は、「今年聴いた中で最も美しいCDの一つ」(New York Music Daily)など、音楽誌でも高く評価された。

 「(アルバムリリースなどの活動を)一つの区切りとして、新たに出発するべく準備を始めた矢先、このような賞を日本の財団からいただけることを大変光栄に思う」と喜びのコメントを寄せた。

 同賞は、日本の伝統文化や現代美術の分野において、著しい貢献をしているにもかかわらずその存在が広く一般に知られていない、または活動実績がありさらなる飛躍が期待される実技者、研究者、技能者を広く顕彰することが目的。日本の文化・芸術に関わるあらゆる分野を対象にしている。


CDアルバム「Metamorphosis」リリースコンサート=2023年、米ニューヨーク


 日本音楽研究家の茂手木潔子さんら6人の選考委員が決定。黒澤さんの受賞理由は、学校教育の中では「和」の文化として日本情緒と結び付けた学びが多い「箏」を「楽器」と位置付け、箏音楽の間(ま)、音色、沈黙などに注目。ニューヨークの活動拠点から、日本の伝統音楽と文化を国際発信する活動として評価された。

 黒澤さんは、両親の黒澤和雄さん、千賀子さんに3歳から十三絃箏を学び、15歳から二十絃箏を箏奏者の吉村七重さんに師事。慶応義塾大ではコンピューターミュージックの権威で音楽学者の岩竹徹さんの研究室に所属し、多様な視点で箏音楽に向き合う姿勢を学んだ。近年の創作では、あえて無機的な音に注目して静と動のコントラストを表現するなど、今後も広い視点からの箏音楽の発信と可能性を広げる活動が期待される。

 受賞者は黒澤さんと木漆芸家の本間健司さんの2人で、助成顕彰として賞金100万円が贈呈される。



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