2024年
4月21日(日)

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新たな抗肥満薬候補を発見 岩手医大が研究発表 脂肪による熱発生に着手

2024-02-11

 岩手医大(祖父江憲治学長)の内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科分野の長谷川豊特任准教授と小野寺謙専門研修医らのグループは、脂肪細胞の一種が熱を発生させる際に必要なタンパク質の量を増やし活性化させる新たな化合物を発見し、そのメカニズムを解明した。今後は、食事をとっても肥満しにくい体質になる新たな抗肥満薬の開発、肥満やメタボリックシンドロームに由来する糖尿病や脂質異常症、肝脂肪などの疾患の治療への応用も期待される。

 研究をまとめた論文の「脱共役蛋白質1を活性化することで肥満・メタボリックシンドロームを抑制する新規化合物の発見」が、肥満に関する国際的な学術雑誌のObesity(アメリカ)の2月号(1月24日公開)に掲載された。

 ヒトでは皮下脂肪組織などに存在し、熱を生む機能を持つ「褐色脂肪細胞」に注目。この脂肪細胞内にはタンパク質の一種であるUCP1があり、脂質や糖をもとに熱エネルギーを発生させる際に強く働くことが分かっている。

 今回の研究では、UCP1を活性化させる化合物の同定を進めていた。

 遺伝子解析などの結果、4800種の化合物の中からUCP1を活性化させる化合物が確認された。この化合物は、高濃度でも細胞に対する毒性が少ないことも突き止めた。

 褐色脂肪細胞の量を増やして活性化させることで、全身の基礎代謝が上がり、体内の糖質や脂質を消費させるとされる。

 実際に、UCP1を活性化させる化合物を肥満・糖尿病状態のマウスに投与した結果、投与しなかったマウスと比較して▽体重減少▽脂肪肝の軽減▽基礎代謝の向上│などがみられたという。

 長谷川准教授は「東北地方は肥満の患者が多いことが問題で、岩手医大にも肥満外来がある。研究、臨床でも解決に役立てられれば」と話す。

 「現在は動物実験段階であり、臨床や応用は今後詰めることになる。化合物がどの受容体に働いているかの同定も詰めていきたい」と展望を語った。



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