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誰もが親しみ創造できる 障害者の活動 総合的推進 文化芸術振興指針第3期 基本方向の新たな施策に

2020-02-12

 菊池部長に第3期県文化芸術振興指針の答申書を手渡す佐々木会長(左から)

 県による2020年度からの文化芸術振興指針の策定は大詰めを迎えている。第3期となる指針は、従来の県文化芸術振興基本条例に加え関係法律にも基づく位置付けとされた。基本目標を「豊かな歴史や文化を受け継いで県民誰もが文化芸術に親しみ創造できる魅力あふれる岩手」とし、五つの施策の基本方向には「障がい者による文化芸術活動の総合的推進」などが新たに盛り込まれた。1月29日に開かれた県文化芸術振興審議会(佐々木民夫会長)で指針案が答申された。県議会2月定例会に議案として提出される予定。

 第3期となる新たな指針は、20年度から24年度までの5年間適用される。これまでの県条例だけでなく、17年施行の文化芸術基本法と18年施行の障害者による文化芸術活動の推進に関する法律に基づく計画とされている。
 施策の基本方向は、①岩手の特徴を生かした文化芸術の振興と交流の推進②県民誰もが文化芸術を鑑賞、参加、創造できる環境の整備③日常生活を豊かにする文化芸術情報の発信④文化芸術活動を総合的に支援する体制の構築⑤障害者による文化芸術活動の総合的推進。

 具体的な施策別では、①では「東日本大震災津波からの復興と文化交流の推進」などに重点を置く。「文化をめぐる新しい動きへ対応した取組の推進」(合唱、民謡、筝曲、市民参加劇、舞踊、民俗芸能、マンガなどを通じた文化振興の推進等)、「文化芸術を通じた交流の推進」(アーティスト・イン・レジデンスの促進)なども新たに盛り込まれた。

 ④は「官民一体による文化芸術促進体制の構築」(岩手版アーツカウンシルの構築)を新たに掲げる。⑤では「障がい者による創造性あふれる創作活動の支援」が掲載された。障害者による芸術活動への県民の関心を高めるためアール・ブリュットの展覧会を開催すること、支援者の育成などを盛り込む。

 新指針では、施策ごとの指標と目標値が初めて示された。「岩手芸術祭参加者数」「文化芸術関連SNSフォロワー数」「障がい者文化芸術活動支援者育成研修受講者数」など全24項目(再掲2項目を含む)。

 各分野で「芸術・芸能」「伝統文化」「生活文化」に加え、歴史的、文化的な「景観」の目指す姿を記載した。1月29日の審議会では、上田吹黄委員(一級建築士ちいろば設計)が「自然と景観を大切に、そこで育まれてきた生活、岩手独自のものを大事にしていくことが、岩手の大地に根差した文化を守り継承していくことと考える」と述べた。

 坂田裕一委員(NPO法人いわてアートサポートセンター理事長)は「文化芸術をやっている人だけではなく国際交流や社会福祉などの人材を育成し、各領域を横断的に結んで文化芸術を振興していく必要があるのでは」と語り、併せて本県の文化を県外に発信する重要性も説いた。

 佐々木会長は、指針の作成に当たりパブリックコメントなどを通し多数の意見が寄せられたことに触れ「行政や文化芸術に関わる人で日常的に語り合う、交流やコミュニケートできる場を作ることが、岩手の文化芸術の進展にかなり大きな力になってくるのではないだろうか」と提案。

 県文化スポーツ部の菊池哲部長は「今年は五輪・パラリンピックの年。本県は競技会場ではないが、文化芸術の発表の機会を設けながら岩手らしさをアピールして世界に感謝を伝える機会になろうかと思う。そのためにもこの指針を生かしていきたい」と話した。



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