2021年
10月28日(木)

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庭広く、草繁るにまかせ… 石川啄木記念館 詩のイメージ守って 玉山歴史民俗資料館と複合 進む改修・増築事業

2021-09-07

増築する建物が配置される場所

 石川啄木の詩の一つに、「家」というのがある。「場所は、鉄道に遠からぬ、心おきなき故郷の村のはづれに選びてむ。西洋風の木造のさつぱりとしたひと構え、…」「さて、その庭は広くして、草の繁るにまかせてむ。…」などとある。 この詩をイメージして造られたのが啄木の故郷、盛岡市渋民にいまある記念館だ。


「啄木と子どもたち」の像。その再配置される場所も、関係者にとって気になる点

 その記念館について、同市巻堀にある玉山歴史民俗資料館と複合化して改修・増築する事業が進んでいる。

 記念館は築後約33年、資料館は同約42年で、経年劣化が進み、展示スペースの不足、トイレの環境などが課題として持ち上がっていたからだ。

 整備地は紆余曲折をへて、現在の記念館がある場所となった。基本設計業者は既に、アズマ設計に決まっている。また、記念館の北東側にある旧記念館の解体の実施設計は渡辺設計事務所に委託することになっている。


「家」をイメージして建てられた現在の石川啄木記念館=盛岡市渋民

 7月30日、市玉山総合事務所で、記念館・資料館の整備検討懇話会の初会合が開かれた。懇話会の委員は6人で、会長は熊谷常正盛岡大名誉教授。

 主な議題は、記念館と資料館の配置で、市当局から示された三つの案(A、B、C)の評価。記念館の建物はそのまま生かし、増築する建物をどう配置するかを検討した。

 そこで出てきたのが前述した啄木の詩。特に中庭についてで、現在ある記念館と旧渋民尋常小学校、旧齊藤家の間にある庭を少しでも広く残してほしいという意見だった。


解体される旧記念館

 「C案が一番、庭を広く確保できるように感じる」(森義真記念館館長)などと。

 検討の結果、延べ床面積約400平方㍍の長方形の建物を、記念館と単純に並べるのではなく、駐車場側からみて幾分奥にずらして建てるというC案に落ち着いた。


増築建物の配置計画図のC案

 今後のスケジュールは、同懇話会や市議会全員協議会、市玉山地域振興会議などで基本設計案の協議をした後、2021年度内に建築工事と展示に関する基本設計を完成させ、22年度は実施設計と旧館の解体工事に入る。改修・整備工事は23年度に行い、24年度に新施設の供用を開始する計画だ。
    (土樋靖人)



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