(本紙連動企画)好評連載! 居酒屋店主の 「岩手の馬に乾杯」

 「さよならは言いません」  エクセレント競走 (3月25日)
 「さよならは言いません。騎手たちにもファンの皆さんにも。また競馬場で会いましょう」。介護士のミーシャは最後まで存続を信じ、別れの言葉を口にしなかった。その願いが届き、岩手競馬の存続が決まった。
  「またここで会うことができましたね」。岩手競馬ファンが、あいさつを交わし握手する。場内の随所でこんな光景が繰り広げられる。そして来季も馬たちが騎手を背にして駆け抜ける。さあ、馬券を買いに行こう。
  エクセレント。「暮からの調子を維持していれば@ヤマニンエグザルトとGゲイリーエクシードが有力だ」と競馬オタクのマモルくん。「そして中央からの転入馬Aニューベリーの走りに注目したいね」。「そんな予想より」とミーシャ、「お気に入りの騎手に御祝儀を張って、声をからして応援するものよ。今日だけは」。                                          (居酒屋店主)
 「一年分の感謝をこめて腹の底から叫びに行くぞ!」  エクセレント競走 (1月14日)
 「今季もいよいよ大詰めだ。今季の競馬が終わったら何をしよう?」と競馬オタクのマモルくん。「今も昔も男は黙って飲む打つ買う」とオオマサのアニキ。「競馬が終わればあとは酒でも飲みながら、恋のひとつもしてみよか」。
  エクセレント競走。「けれどもいまさら恋なんて柄じゃねえ。ヤッパリ馬券を握りしめ、競馬場で絶叫するほうがはるかに快感だ」とオオマサ。好走を続けるBマツリダブロッコ、Eチュードサンデー、Iゲイリーエクシードの三頭が有力だ。「けれども絶叫するには人気を集めすぎている。もうチョイ人気薄を狙うしかない」。Hマツリダパレス。一昨年の年度代表馬がここにきて復調気配だ。「さあ、頭で来い。岩手競馬にお世話になった一年分の感謝をこめて腹の底から叫びに行くぞ!」。
                                         (居酒屋店主)
 「わたしたちは希望を信じなければならない」  六華賞 (1月 7日)
 「わたしたちは希望を信じなければならない」とかつて吉本隆明は歌った。「今年はこの言葉をつぶやきながら生きていこう。そう思うんだ」と競馬オタクのマモルくん。「予想がハズレ、馬券で負け続けても、たとえ希望の崩れかかる場所で生きることになろうとも、自分の希望だけは信じて生きていこう」。
  六華賞。「このクラスならAマイニングプレスの軸は動かない」とマモルくん。「有力馬もBD@まで。比較的固く決まるレースにちがいない」。けれどもいまや若手の高松騎手から目が離せない。Cベルモントサファリ。人気薄でも好走させる何かをつかんだようだ。「それこそ希望かね」。出走する限りはすべての馬に勝利の可能性が残されているはずだ。その勝利への希望を信じること。それが騎手を馬を奮い立たせるに違いない。                                        (居酒屋店主)
 
   岩手の馬に乾杯       筆者紹介 居酒屋店主(中村 守) 

 1961年、盛岡市生まれ。盛岡市内で居酒屋を営む。あのころ僕のヒーローは小西重征騎乗のウィスカーだった。そして30年。競馬場にむかうとあのころのトキメキがいまだに甦ってくる。だから僕はペンを執った。 このトキメキを伝えるために。

 
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