「地方競馬の再興に向けた取り組み方向について」
〜NARは、地方競馬の再興のために、全国の主催者と協力して次のことに取り組む
(平成16年11月24日、NAR・地方競馬全国協会)
はじめに
13年ぶりに競馬法の改正が行われ、17年1月から施行される運びになっている。これに備え、十全の実施を期するため、私どもは平成16年5月に地方競馬主催者・全国公営競馬主催者協議会(全主協)・地方競馬全国協会(NAR)で構成する「地方競馬再興会議」を設置し、半年間にわたり、危機的状況にある地方競馬を脱却するために、地方競馬の今後の対応方向、主催者およびNARの今後の取り組みについて議論・検討し、11月19日に報告書としてとりまとめることができた。
同報告書に基づき、NARとして当面、重点的に取り組むこととしている事項は、以下の通りである。
1.客の視点に立ち地方競馬の魅力向上に努める
競馬が面白くないとファンは馬券を買わないのが現実である。そのための工夫や訴えかけの努力をしてゆく。
1)地方競馬から第2、第3のコスモバルクの創出に努める。
そのために馬主層の拡大による優良馬の確保、認定競走や認定厩舎を活用して、地方競馬からストーリー性のある強い馬作りを進める(資料2)
またハルウララのような話題性のある馬の情報を、主催者・NARはマスコミやファンに積極的に発信していく。
→ 多くの人が感動を共有できる地方競馬を目指す。
2)地方競馬が有する人馬資源の全国的なネットワークづくり・相互活用を推進し、期待感あふれ、面白い競走番組を企画することにより、地方競馬の活性化を推進する。
(03年度の全国資源は、出走実頭数1万8800頭、騎手474人=ばんえいを含む)
例えば、
○根幹競走(ダートGT競走など)につながるステップ競走を増加させ、各地から強い馬が頂上を目指す競走体系をさらに整備する。
○JRAとの連携を図り、全国の地方競馬で騎乗できるように推進する。そのために騎手のフリー化を検討、推進する(資料2)
○西日本地区で初めて行われる地方競馬の祭典JBC競走(17年11月3日、名古屋競馬場)を積極的に支援する。
→ 期待感あふれ、面白い競走番組を提供する。
3)馬主層の拡大・大衆化を図り、競馬ファンの地方競馬への参加を促進する。
○所得が少なくても馬主登録が可能な組合馬主制度の運用の改善を図るとともに、20人以内で競走馬を保有する共有馬主制度を推進する。(資料2)
○クラブ法人馬主制度の導入に向けて、検討を始める。
→ 競馬ファンによる地方競馬への参加の環を広げる。
4)地方競馬の各地の競走番組について、番組表記の標準化を図るなど、ファンに分かりやすい改善するとともに、予想の参考となる競走情報の提供に努める。
(地方競馬の各場のクラス分けはA〜C級が一般的だが、中にはD、E、Fの表示をしているところもあり、全国の競馬ファンにとってわかりにくい面がある。
また、コーナー通過順などの参考となる競走結果データを情報システムに入力していない競馬場があるために、予想の参考となるNARオフィシャルHPの馬柱にデータが欠落しており、今後整備が必要となっている)
2.地方競馬の映像・情報サービスの充実、購入の利便性の向上、賭式の統一を進める。
情報化が進展し、娯楽の多様化が進むなか、地方競馬の多くの主催者において、これらの対応が遅れ、その影響が大きくなっている。このため全国的な視点に立って、主催者の理解を得ながら、必要な基本インフラの整備を進める。
1)地方競馬映像・情報センターの構築
○全国のレース映像をセンターに集信しえt、広域場外やネットなど多様なメディアに配信するシステムを構築するとともに、ネットユーザーが開催場のレース映像を簡単、快適に視聴できるサイトをつくる。(17年度導入目標)
(現時点では、主催者のHPにレース実況をライブで放映しているところと、実施していないところがあり、対応がさまざまになっている)
今後は全国統一化を図り、ファンがライブやオンデマンドにより全国のレースを快適に視聴できる地方競馬サイトを立ち上げる。(資料3)
○地方競馬情報処理システムを改善し、データ検索機能の向上、競走情報サービスなどの充実を目指す。映像システムと連携させ、地方競馬映像、情報センターとして構築する。(19年度目標)
(地方競馬情報システムRINCSは騎手、馬の情報、競走成績のデータを管理、蓄積しており、主催者の番組編成事務の効率化を図るとともに、マスコミやファンに競走番組、競走成績を提供しているシステム。
今後は、機能強化を進め、ファンがパソコンで競走データを簡単にダウンロードできる仕組みに改善し、ソフトを活用して勝ち馬を推理できるなど、競馬の楽しみ方を広げる)
→全国各地の地方競馬をより身近に、親しみやすいものにしていく。
各主催者は番組編成情報を容易に入手・提供できることから、ファンサービスの充実と経営改善を図ることができる。
2)在宅投票システムの拡充
即日入会m、即日投票可能なネットバンク決済システムを導入して、在宅投票を充実させる。携帯電話によるレース視聴の充実と合わせ、ユビキタス社会に対応したシステムを構築していく。
(SPAT4は17年4月導入、D−netは17年夏導入目標)
3)多様な場外発売施設の設置推進
街角の店舗を活用したミニ場外、日本レーシングサービス(NRS)を活用した地方競馬共同利用型場外などの設置推進を図り、多くの方に手軽に地方競馬を楽しんでもらえるよう努める。
(ミニ場外は、これまでの場外発売施設を新たに設置する方法に代わり、街角の空き店舗を場外施設として活用する。特に北海道ではAibaの名称で積極的に展開されており、10月にオープンしたAiba留萌を含めて7個所ある。(NARは、地全協と全主協などの出資で設立された株式会社)
4)全国的な共同利用TZSの整備
トータリゼータシステム(TZS)の更新が必要な主催者が共同で利用するTZSを整備し、地方競馬における3連勝賭式の全国的導入、払い戻しの広域化を推進する。これにより地方競馬の商品(賭式)が整い、加えて主催者の運営コストの低減を図る。
5)JRAとの受委託発売
法改正で、JRAと地方競馬主催者との相互の発売事務委託が可能となり、双方がメリットを享受でき、多くのファンの方々に喜んでいただける方策についてJRAと検討、推進していく。
3.地方駅馬主催者の経営改善に向け、全力を挙げて支援・協力する
各主催者は、厳しい経営環境のなか、存続に向けて経営改善の努力が行われている。
このたびの報告書にある通り、今後は地方競馬全体として、客の視点に立った活性化方策などを一層推進していくとともに、主催者間の連携強化を図り、経営改革を加速化する。
NARとしては、2に示した通り、必要な基本インフラの整備を進めるほか、全主協と連携して、各主催者の取り組みを積極的に支援・協力していく。
1)主催者間の連携、ブロック化を推進するため、NARは連携協議会に参加し、効率的な運営を提案し、主催者間の調整を図るとともに、連携計画の策定の協力と共同事業に対する必要な助成を行う。
2)NARは、要請に応じて競走事務を受委託する公益法人の設立や効率的な運営に参画するとともに、競走事務に関する豊富な経験、人材を生かし、専門性の高い開催業務を担う。
3)民間の知識、ノウハウを活用した馬券発売事務の民間委託のあり方を早急に検討し、必要なマニュアルの策定を行い、民間委託を通じた地方競馬の活性化を図る。
4)NARは今後進展すると見込まれる発売受託業者の職員に対して、競馬法など諸規定に関する研修を行い、競馬の公正確保と円滑な実施を推進する。
/////////////(以上は、報告書ほぼ全文。ただし一部表記が異なる個所がある)//////////