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盛岡市本町通1丁目の岩井澤工務所を経営する岩井澤昭一さんは、市内で空き家になっていた南部曲がり屋の移築に取り組んでいる。築150年程度の古民家を所有者から譲り受け昨年中に解体。滝沢村内で1月28日から建築作業が進められている。移築後も150年ぐらいは住めるのではと岩井澤さん。自宅にするつもり。家の寿命が短くなり、スクラップが次々と発生している日本の住宅事情に対して、家との長い生活を提案していきたいという。
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【写真】南部曲がり屋の移築現場
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岩井澤さんの経営する工務所は在来工法の木造住宅を主体に施工している。7、8年ぐらい前から曲がり屋に住みたいと思うようになり、常々欲しいと思って探していた。「古民家や曲がり屋がどんどん減っていく。昔の建材は、2度と使えないような木がたくさん使われていてもったいない」とプロの目に映った。
昨年9月、知人から根田茂に良い物件があると情報をもらい見にいくと、平屋建ての約84坪(277平方メートル)の大きな家だった。「前に見たのは移築が難しかったが、今回はこれは使える」と感じた。持ち主は10年ほど前、家を新築し、曲がり屋は空き家になっていた。持ち主から譲渡の了解をもらい移築へと動き出した。
昨年末までに根田茂の解体が完了。使っているのは柱や梁など上質のクリを中心にケヤキ、アカマツなどでクリの大黒柱は尺二寸、現在の柱なら約12本分の太さという。
継ぎ手などは今日、ほとんど使われていない工法。「木は今では手に入れることができない質の良いもの。木材は大きいものなので、昔の大工さんはどうやって上げたのだろうなどと想像してしまう」と長年、木材を見てきた岩井澤さんも感嘆させられることが多かった。部位によってすすけているところとそうでないところがあり、過去に暮らした人々の生活に思いをはせるのも楽しい。
同村滝沢字葉ノ木沢山で建築が始まっている。建物の浮き沈みにより柱や梁によれが出ていたり今行われていない工法のため苦労したが、構造材の組み立ては終わった。4月ごろには完成させたいという。
移築して再建されるのは間取りなどは同じで、土間も再現する。建築基準法や防寒などのため、サッシを使用しトタン屋根になり、壁材も今日の建材を使い雰囲気を出すだけになる。
しかし、すでに天井板をはめられていたものを常居などはかつてのように取り払うという。馬屋は床を張り、催し物の会場などにも開放する考え。
最終的には移築した曲がり屋を自宅にしたいという岩井澤さんだが、曲がり屋での生活に対するあこがれだけではない。「工務所の職人は若いのが多く、良い経験になってくれればと思っている」と期待する。
「今は高気密、高断熱が言われているが、それによってシックハウスやアレルギーなどのいろんな問題が起きているのではないか、あまり気密性を高くするのはどうかと思っていた」のも一つのきっかけ。また「材料がどんどんスクラップ化されていくのもどうなのかと思っていた」。
家を建てる職人にとって自分の建てた家が建て替えられるのは寂しいもの。しかし、今の日本の住宅は25年や30年で世代交代することも少なくない。「直していけば50年や60年は使えるといっても、なかなか理解してもらえない」という思いをしてきた。
ならばと「まず自分でやってみれば説得力がある。移築した古民家を見て、自分も欲しいなという人が一人でも出てくれれば」と願っている。
古民家移築の様子は同工務所のサイトで紹介している。URLはhttp://www.ne.jp/asahi/iwaizawa/home/
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