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第1回雫石町民劇場「橋場よき 三幕」(同実行委員会の主催)は14日、同町上曽根田の町立中央公民館野菊ホールで行われた。幕末から明治の動乱に巻き込まれた旧橋場村民の生きる姿を出演者、スタッフの町民総勢200人が創り上げた。約800人収容の会場は満員御礼。観客たちは迫真の演技に笑ったり、終盤には目頭を押さえる姿も。郷土の歴史から古里を再発見する喜びを実行委とともに共有した。
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【 写真】初の雫石町民劇場公演「橋場よき 三幕」の1場面
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舞台は慶応4年(明治元年、1868年)。官軍は盛岡から橋場を通って秋田に向かっていた。南部藩は家老楢山佐渡の主張で官軍と対決。橋場村民は徴兵され、戊辰戦争の「橋場口の戦い」が起きた。
橋場の百姓でマタギの主役「よき」は村の若者のリーダーとして村の平和を願い戦争に反対したが藩命に従った。しかし従兄弟さく、よきを慕うミオの父仁兵衛の戦死に怒り、官軍の長を射殺、追われる身になった。村の仲間はよきをかばい、一人も口を割らなかった。執拗な官軍の追跡にもかかわらず、村民たちの結(ゆ)いの力で平和が戻った。
佐々木正志実行委員長の史実を基にした脚本。昨年7月に実行委を設立。10月から、けいこが始まった。年明けから連日けいこが続き、本番直前まで通しげいこが行われる気合いの入れよう。
出演者は農家、会社員、主婦、芸術家のほか、雫石中学校野球部はじめ小中学生、高校生、大学生、町議、町職員ら。舞台を陰で支えたスタッフも音響、照明、舞台装置、衣装、メイクなどで活躍した。
田沢湖町の「わらび座」の栗城宏文芸部演出担当が演技を指導。公演中にも動きが変更になったり、出演者のアドリブもあるなど臨場感であふれた。
中屋敷十町長ら町四役も官軍幹部役で特別出演し、会場を沸かせた。フィナーレの村祭りでは、駒草さんさ踊りも共演。大団円となり、劇中歌「橋場里唄」を町内のコーラスグループ「童謡の滴」が出演者らとともに合唱。
詰めかけた町民は顔見知りの出演者たちの登場と名演技にざわついたり、拍手を送ったりした。クライマックスで村民たちがよきを官軍を守り抜き、再び村に迎え入れる場面では涙を流す人も。
主役の原正人さん(会社員)は「観客の反応がすごくよかった。今まで連取してきた中で一番良かった。予想外で笑われた場面もあったが静かに聞いてもらえるところで聞き入ってもらい、皆さんにも助けてもらった。好演するにはすごいエネルギーが必要。今後も何かにはかかわていきたい」と重責を終え、胸をなで下ろしていた。
ミオ役の大地希望さん(雫石高2年)は「高校の穂剣劇のつながりで声をかけてもらった。芝居には前から興味があった。テスト期間と重なって大変だったが、プロの指導で自分として実力を試すのが楽しかった。全体は100点。でも個人では声が出なかったりして50点かな」と話していた。
南部藩士吉村貫一郎の嫡男嘉一郎を演じた高橋大介さん(23)は本番3日前に官兵役も任され1人2役に。「大変勉強になった。セリフに方言が入っていて、自分たちは耳で聞いていてもしゃべれない。でも非常に親しみやすかった。場所も地名も知っている分、身近な芝居だった」。
栗城さんは「自分自身が感動できた。舞台の神様が役者の皆さんたちに下りてきたよう。練習の力を120%出せた。身近な人が出演する期待感を受け止めて好演したと思う」と評価した。
佐々木委員長は「積み重ねてきたせいか以上の力を皆さん出してくれた。迫真の演技だった。スタッフの準備も万全に整えてくれた。会う人ごとに素晴らしかった、これからもやってほしいと異口同音に感動してくれたよう」と手ごたえに満足していた。
公演は2回行われ、いずれも満員御礼となった。
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