2004年 5月 2日 (日)       

■ 〈経済〉社員の意識改革から着手 久慈琥珀の向社長が講演 

 中小企業金融公庫岩手友の会盛岡地区懇談会・講演会が4月27日、盛岡市盛岡駅北通のホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングで開かれ、同地区の流通、食品、住宅、印刷、衣料関係の企業の幹部ら50人が出席。久慈琥珀の向正彰社長が自社の経営革新への取り組み事例を発表した。

 創業23年の同社は02年、琥珀(こはく)との共生を基本理念とし3カ年の経営改革に着手し、事業の見直しや基本理念の浸透を図ってきた。6月1日には3億円を投じた博物館の新館がオープンする。

 向社長(54)は「当社は長年順調に売り上げを伸ばし、経常利益も確保して経営をしてきた。しかし数年前に経常利益が半分ほどにダウンした。危機感を抱き改革に乗り出そうとした。しかし、創業当時の意識はなく、指示待ち人間ばかりが多く危機意識を持つ社員がほとんどいなかった」と嘆いた。

 向社長は自らが考え方を変えなければと判断し、経営の基本理念の再構築に6カ月を費やした。久慈琥珀のビジョンとして「世界の琥珀の本場へ」を掲げ「新たな琥珀の文化を創り出すために研究・開発・学習に真剣に取り組みます」などの基本理念を明記した。

 02年度は基本理念の浸透に取り組み、03年度は具体的な実践活動に取り組んだ。向社長は「最初はなかなか難しかったがビジュアル化したり唱和するなどで浸透を図った」と言う。

 同社では並行して生産から販売、サービスに至るまですべての見直しを図った。中でもドラスチックに断行したのは取引先の見直し。これまでの取引先80社を45社に削減した。向社長は「当社の理念やイメージを落とすような取引先とは取引を中止した。テナント契約先も選別した」とキッパリ。

 さらに社員の独立を奨励し支援体制も行った。製造現場から5人、販売部門から3人が退社して店舗を立ち上げた。向社長は「独立支援もした。会社にいたときより2倍以上の給料を稼ぐ元社員も出てきた」と言う。

 新博物館への投資は3億円。「歴史と文化を紹介する本館に対して新館は触れる体験館。10年後に世界の琥珀の本場になるための投資。その第1ステップ。6億円の年商の当社にはチャレンジでもあるがリスクでもある。現在、琥珀を活用した入浴剤も開発。今後、付加価値のある商品開発も行う。旧態依然の経営を脱却し総力を結集する」と力を込めた。


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