2004年 6月 2日 (水)       

■ 岩手大学で禁煙への取り組み始まる 附属学校は全面禁煙

 他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止を義務づけた健康増進法が施行されて1年余り。県は今年度末をめどに、すべての県立施設の分煙化を目指し、取り組みを進めているが思うように進んでいない。特に学校などの教育機関については「教育的にも分煙ではなく、全面禁煙にすべきだ」との声があるものの、全面禁煙にまで踏みきった学校はなかった。こうした中、岩手大学(平山健一学長)は5月25日、附属幼稚園、附属小学校、附属中学校、附属養護学校のすべてで敷地内全面禁煙を導入した。大学施設内でも、喫煙場所以外ではたばこを吸うことのできない完全分煙を開始するなど、禁煙に向け積極的に動き始めた。

 附属4教育施設の敷地内全面禁煙は、生徒たちの健康と教育的配慮の観点から同日、県内の小中高校で初めて導入された。職員室などの建物内をはじめ、屋外であっても敷地内での喫煙は許されない。今後、県教育委員会、各市町村教委でも学校敷地内の全面禁煙の導入に向け、動きが活発化すると見られ、いち早く導入に踏み切った同大が与える影響は大きい。

 しかし、成人が多い大学では全面禁煙はなかなか進んでいないのが現状だ。同大は昨年9月、保健管理センター(立身政信所長)が中心となり、学内のたばこ自動販売機の撤去を提言。生協理事会が提言を受け、今年1月までに学内に5台あった自動販売機が姿を消している。

 附属4施設の全面禁煙が始まった日、同大では喫煙場所以外でたばこを吸うことのできない完全分煙が開始された。工学部では玄関ホールなど9カ所の喫煙場所を指定、いたるところに置かれていた灰皿を片づけた。

 敷地内の喫煙場所は、屋外の2カ所を含め23カ所。喫煙場所以外での歩きたばこはもちろん、教官の個室でも喫煙は禁止とされた。

 同センターは禁煙をしたい学生、教職員を対象に「禁煙外来」を受け付け、喫煙率の低下を目指している。同センターのアンケート調査によると、大学入学時の喫煙率(男性)は1割以下だが、学年が上がるにつれて上昇を続け、4年生男性では3割以上が喫煙者という。

 立身所長はたばこの健康への影響を考える「禁煙クラブ」を主宰。禁煙外来では、体内にニコチンを取り入れるニコチンガム、ニコチンパッチを使い、禁煙を呼びかけている。

 立身所長によると禁煙外来を訪れる学生は「お金がかかる」「健康のため」「肩身が狭い」などの理由で禁煙を始める場合が多いという。

 立身所長は「禁煙外来は、禁煙を呼びかけるというよりニコチン依存症の治療のつもりでやっている。今後は健康のためにも、本学敷地内の全面禁煙に向け、呼びかけていきたい」と話していた。

 敷地内全面禁煙となった附属養護学校の千田光久副校長は「教育的な面からも全面禁煙は望ましい。今後は、学校行事で学校敷地内に立ち入る保護者にも敷地内禁煙の理解を求めていきたい」と話していた。

 【健康増進法】たばこを吸わない人が煙の害を受ける受動喫煙の防止を盛り込み、03年5月1日に施行された。同法25条では学校、体育館、病院、劇場、官公庁など多数の人が利用する施設の管理者に防止策を義務づけているが、罰則規定はない。


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