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【写真】熊坂伸子滝沢村助役
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滝沢村の熊坂伸子助役(51)は就任から1年が経過した。自身の研究対象だった同村。請われて身を投じて「外部の風」になった。役場組織の壁に直面もしたがその外交手腕は村の外からも評価が高い。盛岡市が呼びかけた任意合併協議会には不参加に賛成の立場だが、盛岡広域圏の将来的な姿として「合併は避けて通れないし、あるべきだと思う」と主張する。行財政事情が厳しいのは村も変わらない。住民参画による協働は「目指す方向はあるけれども住民も役場職員もその体制も実力もまだ備わっていない」と冷静に分析する。
−盛岡市長が呼びかけた任意の合併協に対して滝沢村は不参加を表明した。所見は。
熊坂 合併特例法期限の05年3月までの合併にわたしは反対です。盛岡市は間に合わせるのを大前提で申し込まれたので、それには賛成できなかった。
特例債はメリットとして大きいが、国がニンジンみたいにぶら下げて合併させようとしている、その考え方が間違っている。国債が今までにないぐらい膨らんで、国や地方が何をするべきかという時に、減らす努力をしないと何も積極的な施策を打てないはず。そういう国に対して、わたしはイエスと言うべきではないと思うのが1点です。
もう1点は時間がなさすぎると思った。市長が交代して、その後にいくら急いだとしても1年ちょっとの期間しかない。十分にお互いに理解し合えるとか、議論し合える時間が物理的にどう見ても足りないと思った。逆に時間に合わせてコミュニケーションを設定するような会議というのは本末転倒。
議論の煮詰まった先に合併があるのはいいですが、先に期限があって、どう考えても足りない期間で意見をまとめようというのが見え見えの協議会に入っても規模、力からして対等ではない。その中でどういう議論ができるでしょうか。わたしたちの真意が伝わる、皆さんの意見を聞くのに十分な時間とは思えない。それも理由です。
−将来的な合併の可能性は。
熊坂 合併が反対とか、盛岡広域圏の合併があり得ないとは全然思わない。将来は当然避けて通れないと思います。
岩手県の中の盛岡市、盛岡広域圏の存在感を考えたときに、あるべきだと思う。現実には滝沢と盛岡は一部だけれども一体化している現実もあるので。
しかし、今回の合併の大騒ぎで何が一番良くないかと言えば、国がニンジンは出したけれども、将来の国の形、道州制を合わせた県の形、合併による市町村の形というビジョン、この国の形のビジョンを示さないまま、しかも道州制を後回しにしたまま、市町村に合併話をスケールメリットという議論だけでやってきたことが、そもそも間違っていると思う。
やはり国民が、この国はどういう形を目指しているか、そのために県はどうあるべきか、要らないのか、州でいいのか。市町村はどんなことをするものなのか。そのためにどういう規模が必要で、小さくてもいいのかなどの議論をしないままになっている。
今回の大騒ぎは05年3月で終わりにしていただいて、きちんと国や県の関係者、市町村の関係者と国民を交じえ、どんな国がわたしたちは欲しいのか、どんな地方があるべきか話さなければいけない。
今まで国、日本は国民が一番最後に知るんです。それをそろそろやめましょうとわたしは思う。そうなれば、盛岡広域圏の合併はすごく希望が持てると思う。すごく良い議論になる。そこで岩手県が残るかどうか分からないが、県に存在する意義、その中で盛岡市が果たすべき役割が分かってくると思う。
その中で滝沢が合併するかしないかの答えは自然に出てくると思う。今は住民に聞いてもそれぞれなんです。それぞれにとって合併の意味が違うから。損得だけで言う人もいるし、合併した方が得なのになんでしないという人もいる。地域というものを大事にする人もいる。
どちらも正解なんだと思うけれども、そもそも合併でなぜやっているのということを国民に説明していないのが問題ではないか。
−柳村純一村長に対するこの1年間の感想は。
熊坂 村長は見た通り、あのままの人ですね。わが道を行くというか、自分の信念で、強いリーダーシップでいる最初の印象通りです。非常にユニークなリーダーですよね。いろいろなリーダーを見ましたけれども、なかなかいないタイプ。
−具体的に言うと。
熊坂 今のリーダー、首長は都会的でスマートさを売りにしがちだが、逆にそれとは違っている感じがしている。民衆とともにあるという哲学かもしれないし、本当はかなりスマートな考えがあると思うが、あえて土くさい、汗くさいのを大事にしている。人の評価をあまり恐れず自分の信念に基づいて活動している。
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