2004年 6月 3日 (木)       

■  〈美術〉模様と色彩の境い目 小野嵜拓哉さんが個展〈写真〉

小野嵜拓哉さんの作品(一部)
【写真】小野嵜拓哉さんの作品(一部)

 花巻市の小野嵜拓哉さんの個展が5日まで、盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子で開かれている。同会場では3年ぶり3回目。版画を専門に発表してきたが、今回初めて油彩を出展。油彩9点と版画2点を展示している。

 ほとんどの作品は白地に黄色で迷路のような線を細かく描き込んだもの。作品との距離を広げていくと絵柄は消え、色面のように見えてくる。

 長い時間をかけて描いた絵柄は、距離で全部消えてしまう。「在るものと無いものの間のあいまいな感じ」を表現する。線や余白は意図的に構成せず、出来るだけその時の自分の心象から生まれたものを描く。

 「何かを描こう」として取り組むのではなく「とにかく描く」という。「失敗したかな」と思う部分も作品の一部として描き直さない。「作ってしまったもの」を作品として位置付けている。

 同展で最も大きなものはキャンバスを横に4枚並べた縦約2メートル×横約5メートルの作品。画面は大きいが、その中の絵柄は細かく描き込んでいるため、1枚仕上げるのに2カ月かかった。今はより大きな作品の制作に取り組んでいる。

 会場を訪れて実際の作品と対峙(たいじ)してほしいと願う。作る過程で作家が込めた思いより、見る側が作品を前にしたときに力のあるものを作りたいという。


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