2004年 6月 8日 (火)       

■ 岩手大学で法科大学院の申請見合わせ 教員確保のめど立たず

 岩手大の平山健一学長は7日、北東北の国立3大学が連合して05年度の設置を目指していた法科大学院(ロースクール)について「(05年度開学の締め切りまでに)文部科学省から提示されている20人の教員の確保など課題の解決は難しい」述べ、05年度の法科大学院設置への申請を見合わせたことを発表した。今後については「課題の解決に取り組みながら法科大学院の中身を充実させ、次年度以降の申請を目指したい」と述べ、今後も設置へ向けた取り組みを続ける考えを示した。

 申請延期を決めた理由として「教員制度の整備を完成させるまでに至らなかった。設置への確固たる見込みがない限り、地域への説得力はなく、奨学金の支援を求めることができなかった」と説明した「注目してくれた皆様や自治体の皆様に迷惑をかけるが、なおきちっとした内容で中身を充実させて、次年度以降に申請を延期することを決めた」と述べた。

 平山学長は直面する課題として▽入学志願者の確保▽司法試験に通った後、果たして地域に定着してくれるのか▽3大学の連携はそれぞれの大学にメリットをもたらすのか▽教育の中身−などを挙げた。

 「設置に向け、地域や他大学への働きかけをしていかなければならないが、教員組織が固まらなければ進められないのが現状だった。教育の中身については研究会などで、解決へ向かっているので、今後は模擬裁判などの授業や司法の必要性の理解を深めるシンポジウムなどを開き、住民の熱意の高まりへとつなげていきたい」と、まずは教員組織を確定させることを必要があるとした。

 同大は前年度も、教員が他大学に引き抜かれて教員数がそろわず申請を見送っている。平山学長は「今年4月、全国で68の法科大学院が誕生するなど、法曹関係の研究者教員が全国的に枯渇していたのが引き抜きの原因。ジェネラリストを育成し、地域全体の司法を向上させたいという設置構想の趣旨が問われたわけではない」と、教員引き抜きについて述べた。

 今後の見通しについては「次年度申請できるかは、教員の充実にかかっている。いい教員が集まれば、申請の可能性が高くなる」と述べるにとどまり、次年度に申請するかどうかについて明言は避けた。

 同大の法科大学院設置は01年9月に岩手弁護士会から要請を受けて始まり、02年12月、03年5月と文部科学省からヒアリングを受けていた。その過程で北東北3大学の連合で設置することなどが決まり、文科相からは「3大学連合であれば、教員20人が必要」と内示を受けていた。03年9月に、法科大学院設置を全学の課題とし、1学年30人の学生受け入れ目指して、取り組みが進んでいた。

 同大は現時点で設置に必要とされる20人のうち17人の教員を確保しており、不足する教員は3人。不足しているのは研究者教員で公募中という。


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