2004年 6月 8日 (火)       

■ 納得!これがビールの正体 大人のための科学講座

 盛岡市子ども科学館で6日、大人のための科学講座が開かれた。同講座は3月のコーヒーに続いての開講。今回は「ビールの科学」を講師の同市のベアレン醸造所の木村剛代表取締役から24人の市民が学んだ。

ビールの豆知識を実験を通じて学んだ大人のための科学講座
【写真】ビールの豆知識を実験を通じて学んだ大人のための科学講座

 実験したのはビールの元となる麦汁作り。麦芽から麦芽糖を作るという工程だ。麦芽100グラムを水500ミリリットルに入れてかき混ぜる。ここでヨウ素液の反応と味見をしてみた。でんぷんが多い状態なのでヨウ素液を入れると青紫に変化。これを加熱して65度まで上げる。

 ここで再びヨウ素液反応を見ると青紫がかなりなくなったが、まだ色が変わるためでんぷんが残っていることが分かる。味は最初の状態に比べ甘みが出てきたがおいしいとは言えない状態。

 火から下ろして30分、その状態で置く。温度は60度以下にならないよう下がってきたらコンロにかけて調整。15分後に再度、変化を調べると、ほとんどでんぷんはなくなり、味も甘みが増した。さらに30分後に同じ実験をしてみるとヨウ素液反応もなく、甘い麦汁になった。糖化したことになる。最後に何度かろ過させて麦汁は完成した。

 糖化させる方法は2種類あり、一つはこうじカビの糖化酵素を使ったもので日本酒や紹興酒が代表的なアルコール。もう一つは麦芽の酵素を使ったものでビールや発泡酒が代表例として挙げられる。

 加熱の過程では45度でたんぱく質が分解し、アミノ酸になる。たんぱく質が残っていると液が濁ってしまうし、過ぎると泡立たなくなるという。60〜70度では麦芽に含まれる糖化酵素が働き、βアミラーゼは60〜65度ででんぷんを端から切り離し麦芽糖を生成し、65〜74度ではαアミラーゼがでんぷんをランダムに切り離しさまざまな糖を生成するという。

 木村さんは「麦芽糖はビール酵母が好むもので、デキストリンを多く作るとこくのあるビールになり、なくしてしまうとすっきりしたビールになる」という。なぜ生のものを使わず麦芽糖にするのかというと「生の状態ではアミラーゼが活性化しないため」だ。

 ホップはビールに使われるのは花の部分。雌だけしか使わない。受粉してしまうとホップの苦みが出なくなってしまうためホップ畑には雄は植えられないという。ただ、受粉させたホップを少し混ぜた味作りをするビールもあるという。ホップを入れるようになったのは1千年ぐらい前から。苦みと香り、殺菌作用、美容と健康という利点がある。

 ビールの特徴の一つである泡。炭酸が入った飲み物で泡立つのはビールだけだが、これは炭酸ガスの気泡が麦芽由来のたんぱく質とホップ由来の苦み成分によって包まれ消えにくい泡を作るからだという。

 ビールの色成分はメラノイジンというみそやしょう油の色にも反映される物質とカラメルによるという。黒ビールは焦がした麦芽を5%ほど加えて作る。しかし、成分は同じため、水で薄めると、普通のビールと同じになることを実験で確認した。


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