2004年 6月 16日 (水)       

■ 盛岡に外港あり 熊坂宮古市長インタビュー

 宮古市の熊坂義裕市長に盛岡市の外港として宮古港を活用するビジョンを聞いた。熊坂市長は藩政時代の盛岡と宮古の関係から説き起こし、太平洋に目を向けるよう促した。海外貿易では宮古港にこそビジネスチャンスありと説く。そのためには国道106号の高規格道整備が不可欠。新里村との合併で盛岡と宮古の心理的距離感が近くなることを期待し、秋田までの横軸連携の重要性を強調する。盛岡経済界から世界雄飛の夢を引き出そうとする市長は、滝沢村の熊坂助役と夫妻。県都に対して親心のような熱い思いを寄せている。

宮古港を盛岡の外港として活性化する夢を語る熊坂市長
【写真】宮古港を盛岡の外港として活性化する夢を語る熊坂市長

 ■宮古港を盛岡・宮古港にしたいというビジョンは。

 熊坂 港湾活性化でも国道106号でも山田線でも、盛岡の人にもっと宮古を向いてもらいたい。盛岡藩では盛岡と宮古の関係は京都と堺のようなもの。盛岡宮古間には大正2年に東北初の定期自動車が開通した。新渡戸稲造が乗り、帰りにひっくり返って日本初の交通事故が起こったほど。今は新幹線や東北縦貫自動車道ができて106号の整備が遅れ、盛岡は縦のルートが立派になったが、宮古は盛岡に熱い思いを持っている。

 桑島さん(前市長)に盛岡宮古港と名前を変えてもいいと言ったことがある。宮古は県内唯一の外国コンテナの定期航路をウイークリーで持っている。盛岡の企業を中心にフィーダー航路を盛岡の人にもっと使ってもらいたい。仙台、八戸、秋田を使うより結果的に安いから、コンテナ定期航路を利用してもらいたい。盛岡の企業のポートセールスのお役に立つため、わたしどもが情報提供し、企業からも情報提供していただくため、盛岡地域駐在のアドバイザーを設置する。

 ■国道106号の高規格道化への展望は。

 熊坂 狭いところが2カ所あるし、あい路もある。今の2時間を1日も早く90分で結ぶため宮古盛岡横断道路地域高規格道路整備を早く実現しなければ。秋田とも秋田岩手地域連携軸推進協議会を国道13号、46号、106号線の沿線市町村でつくっている。二つの県庁所在地と二つの重要港湾を結ぶ道路のために運動している。宮古から盛岡に出るのには抵抗感がないが、盛岡から宮古に行くのには実際以上に距離感がある。

海外コンテナ定期便がある宮古港
【写真】海外コンテナ定期便がある宮古港

 ■道路に対しては国の財政状況から逆風が強まっている。

 熊坂 106号国指定区間編入促進期成促進同盟会は、県管轄を国管轄にしてくれということだから、地方分権に逆行する動きと思われるかもしれないが、秋田宮古の横断道路は2ケタ道路で同じ管理すべき道路だ。逆風はあっても106号は国でやるべき。地方は車の台数が少ないとか経済効率で勝とうとするから東京から投資効率が悪いなどと言われる。居直りが必要だ。われわれには高規格道が必要だ。病院でも防災でも命にかかわることでいざというとき必要だと、医科市長会でも主張している。

 ■盛岡には製造業が少なく、輸出の需要を掘り起こす必要がある。

 熊坂 輸出ばかりでなく輸入で需要がある。盛岡広域30万人、さらに広げて40万から50万の必要な物資は外国からコンテナで来ている。東京、八戸、仙台から来ているものを宮古に振り向ければ値段で必ず役立てる条件を出せる。盛岡は企業が少ないから輸出は北上から花巻も含めてもいい。大船渡は太平洋セメント、釜石は新日鐵のプライベート港だから、公共ふ頭とすれば宮古がナンバーワン。コンテナがあるし、各企業が企業活動にプラスと判断してもらえるように宮古を活性化したい。CIQ(税関・入管・検疫所)は宮古に必要な官公署が全部そろっている。宮古のふ頭は10バース。12メートル(3万トン)が1バース、10メートル(1万5千トン)が4バース、9メートル(1万トン)が1バース、7・5メートル(5千トン)が4バース。大船渡は5、釜石は1、久慈は4。宮古に集中してやるのが効率的だと思う。コンテナは一時減ったが、今年に入って減ってから前年より盛り返している。

 ■宮古、新里、田老の法定協議会設置と合併による三陸拠点都市のビジョンは。

 熊坂 新設合併で宮古市、分庁方式で期限内に決まっている。他の協議会より突っ込んだ小委員会を産業振興、子育て支援、地域自治の三つを持っている。専門的な公募委員を含めて、専門的委員会でもかなり突っ込んでやっている。新市の改革なくして合併なし、行財政の改革が合併の最大のメリットだ。改革を明確に指向して職員の将来の人数も打ち出しているので、住民が納得できるよう協議している。新里村との合併では盛岡との距離感はずっと近くなるだろう。


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