|
仙台市在住の画家、神のぞみさん(19)の個展は7月3日まで、盛岡市菜園2丁目のギャラリーラヴィで開かれている。最新作を中心に、高校1年のときに編み出したキャラクターを主体に描いた絵画や愛きょうのある風景画約25点を展示。人間社会がかかった病を透かせて見せる。
|
|
 |
|
|
【写真】神のぞみさんと作品「鯉とテントウムシ」
|
|
|
|
|
|
小学6年の作文で画家になりたいと書いた神さん。国土交通省主催コンクールで金賞を3年連続受賞した縁もあって同省から仕事を依頼され「画家としてやっていける」と確信し、プロの道に入った。京都を拠点とした同時代ギャラリーの作家に選ばれ、4月に初個展を京都で開いたばかり。昨年まで住んでいた岩手が次の個展会場となった。
作品の多くに描かれているのはほぼ二頭身のキャラクター。左右の目が左右非対称で右目と左目がそれぞれ違った涙を流している。高校1年生だった神さんが「ある日突然、筆を進めていくうちに浮かび上がった。喜怒哀楽のうち怒と哀の感情が強く投影されていた」という。16歳だった神さんは「自立心が出てくるときで、内面的葛藤から生まれた」キャラクターは「心的自画像」だった。
以来、描き続けていくうちに神さんの描く絵の個性であり特徴になった。神さんは当時の「心境を打開し」、今ではこのキャラクターも心的自画像から独立。社会性を持った性格を帯び「自分の内面的葛藤と社会の問題が組み合わさっている」という。絵によっては笑みを持ったキャラクターの「ピカちゃん」が一緒に描かれる。喜や楽を象徴し、どんな状況でも光明は見いだせるとのメッセージが伝わってくる。
作品にはタイトルと同時に詩と組み合わせられたものが多い。もともと詩を書いていた神さん。詩と絵の組み合わせは1年ほど前から増え「絵と同時に詩が出てくるようになった」という。絶え間なくアイデアが出てくる。構想が固まればほとんど一気に描く。このため、画材は乾きの速い水彩とパステル、最近はアクリル、セラムコートなども使う。それでも絵はタッチなど細やかに表現されている。
「天体観測」という作品は心的自画像が天体望遠鏡の脇に立ち、天空に埋め尽くすほどの星がきらめいている作品。添えられた詩は「今の時代は狂っている…と/よく聞く。/然し/『そうなる事は判って居た』と/天空は/大昔から語り告げて居たのだ/だから/人々の気付くのは遅かったと言えよう/星々の中に答えは全て隠されている/皆さん探して下さい」。
新聞やテレビなどでニュースをよく見るという。「人間は年々退廃的になっている。犯罪の低年齢化や、凶悪事件にまひしつつある人間。このまま突き進んで何もなくなってしまうのか」と不安を覚える。絵を見て考える人が一人でも増えてくれればと願う。
|