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岩手山(2038メートル)は1日、雫石、西根、滝沢、松尾の4町村7登山コースで山開きが行われた。火山活動が活発化した98年以来、6年ぶりの全山解禁。各登山口から合計で700人(午前8時現在)が入山し、雫石、松尾両町村の西側3コースでは黒倉山や大地獄谷、国土地理院が設置した観測機器の脇を登山者たちが笑顔で歩いた。正午には山頂で山開き式が行われ、待望の夏山シーズンを祝った。6年間の規制は解除されたが高温地熱地帯や噴気がまだ残るなど、登山者には危険な個所も多い。今後も入山カードの提出などマナーを守る登山者の自己責任が求められる。
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【写真】6年ぶりに規制緩和された雫石町網張コースの姥倉山分岐点で小休止する登山者たち(写真の奥の左ピークは黒倉山頂、中央が岩手山頂)
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雫石町の安全祈願祭は同日午前5時20分から、御神坂登山口ではなく6年ぶりに解禁になった網張コース口で開かれた。関係者や登山愛好家ら100人以上が参加した。
中屋敷十町長は「わが町としては夏山リフトの網張口がメーン。解禁にほっとしている。完全な安全というのはないが、6年ぶりの解禁は実質的には安全宣言といってもいいかと思う。登山者の皆さんには危険個所もまだあり、マナーを守って事故のない登山をお願いしたい」とにぎわいに期待した。
午前6時、休暇村岩手網張温泉のリフトが稼働。登山者はリフトに乗り、約8・1キロのコースを出発した。全山解禁を祝うような快晴に恵まれた。
網張、松尾村松川両コースが合流する姥倉山分岐点に到着すると、国土地理院や県など関係機関が設置した観測機器が数台目に入った。遠く黒倉山の噴気が見え、奥には山頂がくっきりと確認できた。観測機器と一緒に記念撮影する登山者もいた。
現地には噴気地帯に立ち入らないよう啓発する看板や規制ロープが張られ、噴気が吹き出す高温の熱泥地帯には足を踏み抜かないようにするため木道が設置されていた。
黒倉山頂上には立ち入れなかったが、噴気は肉眼で確かめることができた。切通し分岐点付近では黒倉〜大地獄谷間のササ枯れや噴気の出ていた通称西小沢、大地獄谷りょう線部周辺では硫黄の臭いが立ちこめた。
不動平手前の「お花畑」の見ごろは過ぎていたが、木道沿いからムシトリスミレ、ミヤマキンバエ、シオガマなどの高山植物が可憐な花を咲かせていた。
盛岡市北山の沼宮内忠さん(65)、レイ子さん(63)夫妻は岩手山登山歴はまだ浅いが、高山植物や美しい西岩手の景観を愛でていた。
忠さんは「マイペースで登って楽しみたいので、登頂するかは体力と相談して。自分も安全のため自己責任で登山をしたい。6年ぶりの解禁に感激です」と笑顔がこぼれた。
今年3月まで岩手山火山特別調査隊長を務めた雫石町教委の小原千里社会教育課長は感慨深げに登山道を踏みしめていた。
「(全山解禁は)素直にうれしいのひとこと。調査によっていろいろ情報が明らかになるのが規制解除されない理由だと暗に言われている気持ちになったこともある。しかし登山者の笑顔を見ながら規制と緩和の間で取り組んできたことは無駄ではなかった」。
岩手山の火山活動に関する検討会座長の斎藤徳美岩手大副学長は「火山活動が活発化して噴火に至らなかったことを率直に喜びたい。直接、間接的に被害を被った人、関係者の労をねぎらいたい。活動はこれで終わりではなく、新しい火山との共生のスタートであってもらいたい」と話していた。
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