盛岡タイムス社など加盟の岩手県地方新聞協会(会長・佐々木隆男胆江日日新聞社長)は5日、加盟各社(胆江日日新聞、東海新報、岩手東海新聞)の参議院選挙担当記者会議を開き、それぞれの地区の情報を持ち寄って全県の情勢を分析した。年金問題での小泉政権への逆風下で、民主新人の主浜了氏(54)は県内全域に幅広く浸透している。自・公・無所属の会推薦で無所属新人の高橋洋介氏(62)がこれに迫っている。社民新人の竹花邦彦氏(52)は支持労組の票を固めているが伸び悩み、共産新人の若山明夫氏(52)も浸透に苦しんでいる。衆院の区割りで見ると岩手1区では主浜氏、2区では高橋氏がそれぞれ1歩リードしている。3区では高橋氏を後継にした椎名派が自民党と共闘する形で民主党の地盤を侵食し、混戦状態だがわずかに主浜氏が厚い情勢。4区は北上、水沢、江刺の各市で主浜、高橋両陣営が乱戦模様で、大票田盛岡市の情勢と合わせて全体の選勢に大きな影響を及ぼしそうだ。電話調査で「投票に行く」と答えた有権者の3分の1はまだ意中の候補をきめておらず、選勢はまだ動く可能性がある。
盛岡タイムス社は2日から4日までの3日間、参院選について盛岡市内の有権者を対象に電話アンケート調査を行った。回答を得た460人のうち投票に「行く」「行くつもり」と答えた444人について分析した。これに合わせ独自の取材で知り得た情報をもとに盛岡市の終盤の情勢を分析した。
主浜氏は達増拓也代議士の基礎票の上に乗り、昨年秋の総選挙における民主党の勢いを持続している。滝沢村出身の主浜氏は、盛岡市では肴町に縁せきがあり、河南地区でも支持を厚くする。県庁時代の人脈で滝沢村にかけて市内全域を網羅しているが、知名度では元副知事の高橋氏に譲り、新進党以来築き上げられたミニ集会システムに頼っている。
アンケートによると政党別では民主党支持者の8割程度を固め、自民、社民支持層の一部も取り込んでいる。無党派層や幅広い年代層から厚い支持を集める。年金問題での批判票の受け皿になっており、与党への逆風に助けられている。
高橋氏は県庁時代の実績と知名度で市内全域に幅広い人脈を持ち、玉沢徳一郎代議士や1区支部長の及川敦氏の後援会組織を通じて自民党支持層を固め、主浜氏を急速に追い上げている。村田芳三氏を中心に市議会の過半数が加わる洋志会が活発に動いている。
アンケートによると政党別では与党支持者の割合が高い。公明党支持者は手堅くまとまりつつあるが、自民党支持者の4割程度がまだ決めかねており、攻めの余地が大きい。景気雇用対策を求める有権者には高い訴求力を持っている。
竹花氏は平和環境県労組センターの組織票に支えられ、社民党の命運を賭けた戦い。盛岡選挙区の2県議と市議団の支持者を背景に票の積み上げを図る。宮古市出身の竹花氏は盛岡三高時代の一定の人脈を市内に持つが、主浜、高橋両氏には知名度で大きく水を開けられている。アンケートによると社民党支持者の一部を逃しており、イラク問題を争点に結びつけた戦いに持ち込めないでいる。
若山氏は参院選では3回ぶりの党の新顔で、比例代表との連動を図って昨年の総選挙における失地回復を狙う。盛岡選挙区の1県議と市議団の支持者を背景に地盤を固め、与党への批判票の積み上げを図るが、社民党と同じく年金問題での野党への順風に乗り切れず、2大政党への流れに埋没しないよう懸命の戦い。アンケートでは共産支持者ほか、自民、社民支持者も拾い上げている。
投票日は7月11日、即日開票される。
■全県の情勢
県央部では高橋氏の出身地北上市の情勢が焦点。民主党現職の平野達男参院議員の地元で火花が散っており、主浜氏と互角の戦いになっている。花巻市では5日、小泉総理が街頭演説して自民党の支持者を活気づけた。市長選の構図も複雑に絡み合う。
県南部の水沢市では小沢・椎名戦争の再燃が取りざたされるほどの盛り上がりは無く、むしろ江刺市で情勢が大きく動いている。これまでは小沢氏の一枚岩だったが、元自由党県議が高橋氏支持に回り、復活した椎名派が小沢派を駆逐する勢い。胆江地区全体では依然として小沢派が優勢で、民主党の地盤を大きく切り崩すには至っていない。
一関・両磐地区では元自由党代議士の佐々木洋平氏が高橋氏に就き、元自民党代議士の志賀節氏は独自の動き。4年前の衆院選のしこりを引きずる。
沿岸部の気仙地区では民主党の黄川田徹代議士の地元の陸前高田市で、盟友関係にあった前市長が高橋氏の側に就いてねじれが起きている。住田町でも高橋氏が県幹部時代の実績で健闘し、民主党優位を覆す情勢だが、大票田の大船渡市で自民党がまとまりを欠く戦いとなっている。釜石市では共産党が若山氏の組織票と地元票を固めている。
主浜氏が助役を勤めた宮古市では熊坂義裕市長が高橋氏支持を表明し、元市議の竹花氏も立候補して支持が3分している。県北地区では自民党県連会長の鈴木俊一代議士の厚い地盤で高橋氏が優位に立つが、衆院2区から参院比例区に転出した工藤堅太郎氏が主浜氏と連動して積極的に切り崩している。
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