2004年 7月 7日 (水)       

■ 〈経済〉イオンとどう戦う 商業者に広がる不安と戸惑い

 盛岡市本宮の盛南開発大規模商業業務用地(事業主体・都市再生機構)にイオン(本社千葉、岡田元也社長)の出店が決まった。盛岡市内の商業者からは「またイオン」「イオン王国になるのか」「どう戦えばよいのか」「これからが本番」など、戸惑いと不安の声が挙がっている。巨大ショッピングセンター(SC)2店時代を前に、大半の地場商業者は、対策を思いつきかねている。
5日午後10時のイオン盛岡ショッピングセンター
【写真】5日午後10時のイオン盛岡ショッピングセンター

 賃貸予定者として決定した同社の開発案は仮称「イオン盛岡南SC」。前潟地区のイオン盛岡SCと同様、2核1モールの形態になる。GMS(総合スーパー)とファション系の都市型専門店が核で、子供向けアミューズメント施設、専門店、書籍、雑貨、レストラン街、フードコート、コミュニティーホール、イベント広場などを設置予定。

 商業面積は前潟より約5千平方メートル大きい4万6千平方メートル。2店合わせれば8万8千平方メートルになる。市内の全小売店面積が約37万平方メートル(02年)。2つのイオンSCが完成すれば、市内の全小売店面積の約20%を専有する。

 盛岡大通商店街協同組合ユースクラブの佐々木俊幸部長は「またイオンができるとは信じられない。まさかと思った。前潟のイオンができて大通の土日の車の流れが変化したようだが、イオンが2つもできてどうなるのか」「巨大SCは果たして2つも必要か。市内の西と南にわずか4キロの距離。大通でも打撃を受けている業態があり2店目ができれば大変だろう。しかしイオン同士でバッティングもあろう」と話す。

 市では第2イオンが盛南地区の集客力を高め、中心市街地に誘導する姿勢を強調しているが、既存商店街の店舗からは効果に疑問の声も上がっている。

 さわや書店(大通)の伊藤清彦店長は「車社会を想定しているようだが、車のない高齢者、子供を中心に考える必要があろう。確かに今は車社会だが、生涯車が必要ではないだろう。市では歩いて楽しい街を目指しているのではなかったのか」「今回の第2イオン決定は、強い者だけが生き残る強者の論理。これまで盛岡は商業と歴史や文化がまだバランスよく保っていたが。大変な事態にならねばよいが」と納得いかない表情。

 盛岡市肴町商店街振興組合の組合員からも「またイオンか」の声が絶えない。同組合4S会の大関寿美子会長は「当組合は新体制でスタートしたばかり。今はまだ驚きの方が多い。肴町には長い歴史と文化があり当組合の財産。その財産を引き継ぎながら新時代に対応するために課題を整理して対応したい。いずれ大変な時代になる。当商店街の独自色を一層出すことも」と思案する。

 過去に大型店反対や対応策に奔走してきた市材木町商店街の岩渕晃行相談役は「まさかイオンが。地場が頑張るかと思ったが。しかし2店の前でどう戦うのか。大規模小売店舗立地法に変わり、事実上自由競争になった。巨大資本の有利な時代」「もう商店主、商店街での反対や努力も限界を超えている。わたしは昨年、理事長を退いたが今からの商店街の理事長はどこも大変。よ市の徹底的見直しや小さい商店街でも、生き残れる策を出さないと」と頭を抱えている。


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