2004年 7月 7日 (水)       

■ 合併テーマに増田知事が講演 会場からいら立ちの声も

 岩手経済同友会(代表幹事・永野勝美岩手銀行頭取)の第381回例会が6日、盛岡市内のホテルで開かれ、増田寛也知事が市町村合併について講演した。増田知事は合併の枠組みを決めて取り組んでいる市町村への支援姿勢を明確にする一方、「上から与えられるような合併は本当の自治を育てることにはならない」とも強調。合併については市町村の自主的な判断と取り組みを尊重する姿勢を示した。出席した会員からは「合併は特例債など有効に使える財源を利用して本県全体の地位を高める絶好の機会。知事に、もっと強力な指導力を発揮してほしい」との発言も。全国に比べて合併が進まない現状に対し経済界のいら立ちがうかがえた。

 増田知事は「合併によって自治体の基盤が強固になることが本来の狙い。まず市町村が己の体力、欠点を冷静に判断すること。相手の利点が己の欠点を補って余り得るのか。合併は手段であって目的であってはならない」と述べ、市町村合併が、自治体の自立と行財政の足腰を強くする正しい方向に用いられるべきとの考えを強調した。

 合併特例債についても「有効に使うことは大事だが、借金には変わりない。国は7割を地方交付税で補てんすると言っているが、今年度の地方交付税の抜き打ち的な削減を見ても、本当に補てんされるとは限らない。安易に頼らず、構えて使わなければならない」とクギを刺した。

 合併新法で知事の権限として新たに盛り込まれた合併協議会設置の勧告については「県と市町村の平等の原則から見ても、むやみやたらに勧告を振り回すことは慎むべき」と慎重な考えを示し「これからの地方自治は上からの押しつけではダメ。建設計画は県がつくるものではない。合併によって自治体のどの部分を伸ばしていくかは市町村自身に考えてもらわなければいけない」と市町村の奮起を期待した。

 一方で「やる気のある市町村は大いに応援する」とも語り、合併に対する県の支援策として合併市町村自立支援交付金や自治振興資金の無利子貸付、人と財源をセットにした県事務の権限移譲などのメニューを用意していることを説明。「今後は合併によって力を付けた市町村と、そうでない市町村がまだらに存在する状況になる」との見通しを示し、「合併を目指しながらも実現せず、自立できない町村に対しては、財政支援という形にはならないが、別の形で支援策を用意していかなければならない」とも語った。

 さらに「市町村の合併と同じように県の合併についても議論していかなければならない時代がくる」と述べ、「これまでのような東京一極集中の方法は国の力を弱くする。地域の文化や生活様式には徹底的にこだわりながら、グローバル時代に対応する国の形を考えなくてはならない」と持論を披露した。

 講演後の質疑で会員からは「住民自治を尊重するという知事の考え方は傾聴に値するが、これまで通りであれば、何とかやっていける、というような未成熟な議論をミスリードすることにつながらないか」との指摘や「行政コストの削減を求める声は大きいが、遅々として進んでいない。市町村合併の進展で、ようやくプライマリーバランスがゼロになり、さらに過去の債務を返済する努力があって、先進国の基本レベルになる。こうした問題にも十分な関心を持って合併問題を注視しなければならない」との意見があった。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします