2004年 7月 7日 (水)       

■ 〈わが歳時記〉高橋爾郎 7月

 2人の孫が朝食を済ませて7時15分に家を出る。近所の下級生たちと一緒に集団登校するのだ。ぼくは畑に向かう。青田のそよぐ道を7人そろって行くのが見える。今月の下旬からは夏休みも始まる季節だなあと思いながら見送る。

 畑の傍らの栗の木がたわわに花を付け始めた。黄白色の細長い花穂が枝々を覆うようにいっぱい咲いている。まだにおいはない。あと数日もすれば甘く湿った独特の香りを放つ。授粉した後、雄花は茶色になって房ごと落ちる。下旬ごろになると金平糖(こんぺいとう)ぐらいのかわいい青毬(あおいが)がぽつぽつと付く。今年は花が多いようだ。

 さて今月の陰暦の別称は文月(ふづき)。1日は半夏生(はんげしょう)、7日は小暑、19日は土用、22日は大暑。わが家の庭は、華やかな花々が終わって、いまは紫陽花(あじさい)が、潤いを帯びた花を咲かせている。木々も新緑から落ち着いた静かな濃緑の色に移っている。

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 七夕が近付く。孫の自慢で恐縮だが、未緒(みお)の折り紙がいい。器用にさまざま折る。応援間の竹かごに入れておき、来客に見せてお土産に差し上げている。

 未緒の折り鶴などをメインにつる。ぼくはチラシなどを切って輪をつないだり、三角や四角をつないだりしてつり下げる。吹き流しは赤、青、緑のビニールテープを束ねて作る。指で細かくしてふさふさと風にそよがせる。

 たなばた「七夕・棚機」は、天の川の両岸にある牽牛星と織女星とが、年に一度相会するという伝説にちなむ、7月7日の夜の星を祭るゆかしい行事だが、もう2つ、棚すなわち横板のついた織機の意味もあるし、さらには「たな」は神霊を祭る「たな」、「はた」は棚飾りの「はた」の意味ともいわれる。

 短冊に願いごとを書き星に託す、このやさしい行事は大切に子供たちに伝えたいものだ。

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 7月の中旬ごろ、むし暑い夜が続くと、わが家の近くの小川や田んぼにホタルがいっせいにわく。露を帯びた草むらや稲の茎を点滅しながら上ってくる。用事から帰った妻が「もうホタルが出ているよ」と孫に語っている。気分転換に、ぼくも孫について見に行く。青く黄色の光がすいすいと飛んでいる。孫たちが手のひらにすくい「また来年もおいでよね」と話しかけながら放してやる。

 「蛍狩り」という俳句の季語があるが、自然あ夜空に眺めるのが最高だ。そうでなくとも農薬などで年々減っている。ところで岩手公園の「蛍の里」などはどうなっているだろうか。(自然保護のため、わが家の近くの場所は読者の皆さんにはお知らせできません。あしからずご勘弁願います)

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 19日は土用。わが家では、この日までに一年分の梅を漬け込む。ヨモギと十薬を摘み、日陰干しにして薬湯風呂に使用する。21日は土用の丑の日。妻と娘がウナギを奮発してくれる。7月恒例の行事である。

 

 風の濃さ薄さたしかに麦熟るる                村上 昭夫

 けふからの繭は夏繭半夏生                  泉田 愛泉


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