2004年 7月 8日 (木)       

■ 「私の世界環境紀行」梅野克雄さんが私家版写真紀行集

 盛岡市月が丘3丁目の環境省環境カウンセラー梅野克雄さんは私家版の写真紀行集「私の世界環境紀行」を発行した。梅野さんは元小学校長。定年退職後は世界各地を旅しているが、環境への視点から旅先を見つめる。自然、社会、歴史と環境の間口は広い。しかし共通するのは、人類の影響抜きには語れないということだ。旅先で拾った環境問題を日本に持ち帰り、環境啓発に努める梅野さん。本書は非売品だが、環境講座などに活用していく。
私の世界環境紀行

 本書は梅野さんが1994〜2003年の間にした海外旅行で気付いた環境問題について、約100枚の写真を掲載し紀行文にしたもの。40編に構成されている。

 南米パタゴニアでは氷河を通じた地球温暖化、砂漠化、生態系の崩壊危機といった自然環境の問題を主に感じた。

 南米アルゼンチンやインドでは都市貧困層を通じて社会環境、生活環境の問題点を実感し、中国や酸性雨被害のドイツなどでは環境汚染を考えさせられた。

 同じ中国でも環境負荷の少ない新エネルギー、欧州諸国での公共交通機関利用や自転車の優遇、簡易包装や分別ごみの徹底と再生利用といった、化石燃料の減少やごみの減少に取り組む実情を伝えている。逆にインドでは昔ながらの生活が環境に優しいことを教えてくれる。

 人間は古来、その地域で得られる資源を使い、気候風土に合った住居を造り暮らしてきた。それが長い年月を重ねて土地の歴史になり、固有性の高い景観をつくり出すことになった。現代では世界くまなく物資流通が可能になり、規格化、大量生産化によって同じような建物や景観が見られる。まだ歴史を背景にした街並みは世界各国に残り、梅野さんは一例を紹介している。

 「地球的な視野で考えよう」という項で、梅野さんはオーストラリアで求めた世界地図の写真を載せた。南北が逆でオーストラリアが中央の上寄り、最も目に入りやすい位置に置かれるようになっている。梅野さんはここで自国中心主義が地球環境にとって歓迎されないものと言外に伝える。

 「わたしたち一人ひとりが世界の人たちとつながって生きていることをより深く認識することが大切だろう。それが地球的視野でのくらしになるのではないか」と提起する。

 梅野さんは盛岡タイムス紙上で2003年6月3日から04年2月3日まで、本紙井上忠晴記者との連載企画「世界環境紀行」を全30回掲載した。


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