2004年 7月 10日 (土)       

■  〈美術〉遠く過ぎ去った民の記憶 川村勇さんが油絵展

「ふるさとよ」
【写真】「ふるさとよ」
 盛岡市の川村勇さんの油絵展が12日まで、同市中ノ橋通1丁目の中三5階ギャラリーで開かれている。ポルトガルやインドの風景を中心に、サムホールから60号まで19点の作品が出展されている。

 「新天地へ」は遠い街並みを背景に、荷物をまとめて出発しようとする家族の姿を描いた作品。家族の中の一人が欠けたが、その悲しみを乗り越えて新しい土地を求めて旅立とうとする。

 「ふるさとよ」は夕暮れの中に立つ人々が、郷里を指して懐かしんでいる。「古里を切なく思わない人はいない」。人々は、差し伸べた腕の先に今もまだ、思い出の中の懐かしい風景が広がっていると信じている。

 16回を数える外遊先には数カ月から2年間も滞在。その国の風土を知り、人との触れ合いを持つことから仕事を見いだしていく。「ただ訪れて去っていくのは風のようなもの。国を知るのには時間が必要」と、一カ所に腰を据えてじっくりとその国に向き合っている。

 「芸術はつくるもの」という川村さん。チューブから絵の具を出すのは誰でもできるが、そこから自分の中の色を改めて作り出すのが芸術。何もないところに自分で構築していく面白さを追求し続けている。

 1927年生まれ。日展で2回入選。そのほか受賞4回。同展は、湯田町出身の川村さんの作品寄贈を受けて設立された川村美術館がこのほど、開館20周年を迎えたことを記念して開催。


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