2004年 8月 5日 (木)        

■ 〈美術〉いすを用いてインスタレーション 小笠原卓雄さんが個展

「Integral・series−H」
【写真】「Integral・series−H」

 花巻市の小笠原卓雄さんの個展「Integral・series−H」が12日まで、盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子で開かれている。いすを使ったインスタレーション作品が展示されている。

 骨組みだけにしたいすが同じ方向に4個ずつ4列に並べられている。1列ごとに白い綿布が掛けられ、それぞれのいすの下に光源を設置。会場の蛍光灯が照らす上からの光と、いすの下から布を透過する光で物の表面がどう見えてくるかを表現している。

 いすを使ったシリーズとしては3作目。昨年は同じ構造の8個のいすを円形に並べた作品を制作。その形が求心力や完結性を連想させ、物語性が付加される部分があった。今回は集団的に配置することで一つの平面を作り上げ、無機質な「ただそこにある感じ」を強調した。

 上からの照明を使わず、布の透過光だけで作品を成立させた時期もあるが、物の表面をとらえ切れないと感じた。透過光が人の命や魂などを連想させ、物語性が強調されてしまう。見る側に、作家が意図していないイメージを与えるのを避けるため、会場の照明も作品の中に取り入れるようにした。

 叙情性を排し、純粋に物の在り方をとらえたいと思う。光も物として考え、物の表面を通してその在り方を追究している。

 年間3、4点が制作のペース。次回作は、今作を制作している中から生まれるという。その過程で、常に次の切り口や方法が固まり、追い掛けられるように作り続ける。次回作では見る人の行為性を作品の中に取り入れたい。見る側が入り込んでいけるような作品を作りたいと思っている。


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