2004年 8月 10日 (火)        

■ 〈美術〉あふれる情緒 鷹木孝三さんが切り絵展

日本家屋を描いた切り絵作品
【写真】日本家屋を描いた切り絵作品

 紫波町の鷹木孝三さん(80)の切り絵展が31日まで、同町の野村胡堂・あらえびす記念館で開かれている。10年前から独学で切り絵を始めたという鷹木さん。これまで制作した500点に及ぶ作品の中から約100点を展示。日本家屋や季節の花々、夏目漱石から小泉首相まで多彩な題材を使い、情緒あふれる切り絵の世界を展開している。

 一番苦労したのは、立派なマツの木と共に描かれた瓦屋根の日本家屋。立派な樹木が家に落とす陰影と光線の具合を表現するのが難しかったという。

 「囲炉裏(いろり)」や「部屋と行灯(あんどん)」「ポンプのある風景」などの伝統的な風景や、縦横の格子窓を彩るアサガオや風鈴を描いた作品は、四季の移ろいを敏感に感じながら生活を楽しんできた日本人の姿を懐かしく思い起こさせる。

 切り絵との出合いは兵役時代。引退した軍人の家を訪れたとき、本人が制作したという切り絵を見て感動。自分もやってみたいという思いから、50年後の1994年に独学で創作活動を開始した。

 最初は切ったパーツをのりで張ることもあったが、知人に「切り絵は張らないものだ」と指摘されてからはカッターナイフだけで制作。絵柄は新聞や雑誌などから選び、自分の好きな部分だけを拡大して使用。試行錯誤の末、現在の作風を確立した。

 自宅に隣接する敷地に「鷹木資料館」を開放している鷹木さん。昔の生活用具などを多数展示。そのほか、民謡や神楽の笛吹き、尺八奏者、歴史研究と活動は多彩。「あづまね温泉小唄」や「ラ・フランス音頭」などの作詞をしたことでも知られる。

 同展にはマツのこぶをカメに見立てたり、木の根をブルーのペンキで塗って「宇宙人・カッパ人」にしたものなど、自由な発想で独自の世界をつくり上げている。

 会期中、鷹木さんによる切り絵教室を開催。18日、20日、21日の午後1時半から1時間程度。対象は小学4年生から6年生まで。受講料は無料。問い合わせは同記念館(電話番号676−6896)まで。


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