2004年 8月 12日 (木)        

■ 移転後の県立図書館を歴史博物館へ 盛岡市が方針

 南部藩の資料などを生かした歴史系博物館の整備を検討している盛岡市は、機能移転する予定の県立図書館(同市内丸)を増改築して博物館として活用する方針を固め、10日開かれた第4回盛岡市博物館施設整備基本計画策定委員会(委員長・加藤章盛岡大学学長)に示した。今月中に県立図書館が博物館施設として適切かどうかを総合的に判断する調査、分析を民間の建築コンサルタントに業務委託する。委員会は、これまで岩手公園周辺と同市愛宕町の中央公民館内の2カ所を博物館整備候補地として検討を重ねてきたが、市と県との協議で県立図書館の活用が具体化。博物館設置に向けて一歩踏み出した。

盛岡市の歴史系博物館としての活用が検討されている県立図書館(延べ床面積3658平方メートル)。岩手教育会館や盛岡グランドホテルも手がけた菊竹清訓氏が設計、1968年の建設。屋根中央の棟飾り(避雷針)は舟越保武氏の作
【写真】盛岡市の歴史系博物館としての活用が検討されている県立図書館(延べ床面積3658平方メートル)。岩手教育会館や盛岡グランドホテルも手がけた菊竹清訓氏が設計、1968年の建設。屋根中央の棟飾り(避雷針)は舟越保武氏の作

 委員会には8人の委員全員が出席した。市教育委員会から博物館整備の検討の経緯や県立図書館の現況について説明があったあと、県立図書館を増改築して歴史系博物館施設として整備する方針について協議。ハード、ソフト両面で課題の指摘があったものの、「場所的には最高の案」との意見で一致した。

 建築コンサルタントに調査を委託する内容は、県立図書館の建物本体や設備関係など施設の現状や関係法令の調査、改修・増改築による概算事業費の算出などハード面での分析が中心。このほか展示、保存、収蔵など博物館全体の計画内容についても検討を依頼する。

 調査の中間報告を10月ごろ開催を予定している第5回委員会に示し、パブリックコメントも募る予定。現在、同市は05年度から10カ年を計画期間とする第4次市総合計画の策定を進めており、この中で、博物館整備について明確な位置付けを図る。

 県立図書館は盛岡駅西口に整備が進む複合ビルに機能移転し、06年度の早い時期に、(仮称)県図書情報総合センターが開設される見通し。市教育委員会は昨年11月、県教育委員会に対して、県立図書館跡地を博物館建設候補地として活用できるよう、配慮を求める要望書を提出した。

 県は当初、機能移転後の建物を「公文書館」として活用する計画だったが、行財政構造改革プログラムに伴う大型事業見直しで3月に、計画の凍結を正式に決定。

 谷藤裕明市長は4月に増田寛也知事と懇談した際、県立図書館跡地を博物館として活用することについて要請していた。

 同日の委員会の協議の中では、特に、湿気が多い建物の構造上の改善や収蔵庫の位置や規模、場所の問題などが話題に上り、今後の検討課題とした。博物館の展示内容や研究対象について「扱う時代や地域があいまい。資料の準備期間も必要で、盛岡らしい博物館のあり方について位置付けを明確にしていく必要がある」との発言もあった。

 委員の梅原廉花巻市博物館館長は「収蔵物の日常的な調査は目に見えない部分だが、博物館の仕事の中身としては非常に重要な部分。企画展で重要文化財や国宝を借り受ける際にも必ず、展示室や収蔵庫の状態がチェックされる。先々を考えて慎重に対応すべき」「建物の問題もさることながら、博物館準備室を早く立ち上げ、利用者の立場に立った内容の検討を」と助言した。


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