2004年 8月 13日 (金)        

■ イオン盛岡SCへ対抗策模索の動き 商店街に声上がる

 イオン盛岡SC(ショッピングセンター)が開業から1年。盛岡市の中心市街地にある商店街関係者は、その業績に一様に驚きを示している。「800万人という数字は県民1人が1年間、4、5回も行ったことになる。信じられない」「昔ながらの市場を復活させたい」「イオンのまねでは駄目。店や商店のもっとカラーを出さないと。高齢者に絞る」「消費者が地場で買うようなことを」−。さまざまな声が聞かれるようになった。商店主らも対抗策を懸命に考え始めている。

 駐車状況がどう変化するか注目された大通商店街だが、車両時間制限駐車(50カ所)の04年上半期利用台数(1月〜6月、県警本部調べ)は、前年同期に比べマイナス1・9%減の7万1142台だった。

 盛岡大通商店街協同組合立体駐車場の利用状況は同SCオープン1週間は2割減少。その後1カ月ほどで回復しはじめ、土日だけは1割減の状態。同組合の阿部利幸次長は「車の利用者に関しては心配していたほどではないようだ。近隣に新しい駐車場が増え、そちらの利用も増えたための減少もある」と見ている。

 同組合の吉田莞爾理事長は「イオンの影響を受け1割から3割ダウンしている店も出ている。しかしイオンと対立する時代でなない。いかに自分たちの商店街を魅力化するかだ。土日は車は減少してはいるが、マンションが増加し新しい来街者も増えている」と力を入れる。

 同組合ではダイエー、川徳、東大通商店会と共同売り出しで、もりおかスクエア祭りを開催し面展開で活性化に力を入れている。「まだ構想段階だがもりおかスクエアで市場を作りたい。昔ながらの八百屋や肉店などが軒を連ねて地場の食材を提供する」「昼間人口は約5万人。帰宅途中に買い物したり、近所に住む人が普段着でおかずの材料を買いに来るようなそんな場所を作りたい。そうすればさらににぎわい人の動きも増える」と新しい構想を話す。

 南大通の総合衣料販売店みかわやの齋藤恒夫社長は「イオンの猛威はさらに激しくなる。まして2店目が出来れば街は大打撃。今はイオンは郊外に出店しているが、やがては中心市街地にも来るだろう」と危機感を隠さない。

 同社は肴町商店街で3店舗経営している。毎日店頭に出る齋藤社長は「肴町には高齢者の来街が多い。買い物だけでなく知り合いに合うために来る人も。当店の客でもばったりここで会い立ち話をしている。買わなくても良い。こうして街に来て話をする場所が大切」と言う。

 齋藤社長は「イオンはファミリー層を中心に商売している。同じ土俵では駄目。肴町商店街は高齢者に客層を絞ることが大事では。客層を絞ることは大変なリスクでもあるが生き残るために仕方ない」「高齢者向けの喫茶店、カロリーや栄養のバランスを考えた少ない量の高齢者向けレストランなどがあっていいはず。ミニ映画館もあり昔懐かしい映画を上映する。高齢者の方々の働く場も生み出したい。わたしも自腹を切る覚悟」と次の展開を温めている。

 元大手小売店勤務の鈴木久さん(鈴木久デザイン室代表)は「イオンのパワーを侮らない方が良い。しかし対応策はあるはず。まずはサンダル履きで買い物ができるような地場主義を勧めたい。気軽さと親しみやすい店や商店街になる。地場で買い物すれば地域に金が回り、地域経済が潤う。そうすれば、その金が回り街頭も良くなる。祭りも続く」と地場主義を強調する。

 行き過ぎた消費社会の在り方を疑問視する鈴木さんは「自分の住む場所を良くする気持ちを一人ひとりが持ってもいいはず。消費者は神様でなく街や地域の一員。歴史と文化のある地域が潤い、生き残るためにも地場で消費したい」と話す。


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