2004年 9月 1日 (水)        

■  花巻空港をどう活用していくか JAL盛岡支店の根木支店長に聞く

 花巻空港は開港40周年。これからどう活用していくべきか。JAL東日本支社盛岡支店の根木信幸支店長に展望を聞いた。根木支店長は、来年2月に開港予定の中部国際空港をハブ空港にして、地方空港の活性化が可能という。

花巻空港の活性化について話す根木支店長
【写真】花巻空港の活性化について話す根木支店長


 −花巻空港活性化のカギは

 根木 基本的には現在就航中の国内定期便のお客さまをいかに増やすかが第1。チャーター便は国内国際とも機会をとらえて取り組んでいきたい。しかしチャーターは定期便ダイヤを策定したあと、こちらが希望する時期に希望する機材、乗員、スポットをねん出できるかどうかにかかっている。だいたい1年くらい前から交渉を進めていかねばならない。

 −札幌線のダイヤ改善の見通し、営業形態が定まらない沖縄線については。

 根木 札幌については毎年ダイヤ改善の交渉を継続しているが、今のところ変わっていない。夏季の高い搭乗率に比べて冬季は驚くほど低く依然として努力課題。沖縄線は03年度に10日間季節運航したが04年度はまだ決定していない。高い搭乗率の実績があるのでぜひとも運航するよう要請している。

 −花巻空港は並行誘導路の建設が5年間休止されている。国際線の需要は。

 根木 国際チャーター便の可能性を探る努力は継続していきたい。国際定期便を就航させるのは採算面を考えると大変難しい。昨今、イラク戦争等の影響により原油が値上がりをしており、原油や為替の要素もあり採算が読みにくい側面もある。さらにSARSやテロなど予測不可能な外的要因に左右されることも多い。その中で定期便となると、相当な需要が認められない限り難しいと言わざるをえない。

 国際線は就航したが思ったほどの搭乗実績が維持できず撤退している地方空港が多い。中部国際空港(セントレア)が05年2月17日にオープンが予定されている。幸い花巻は名古屋線があるので中部国際経由のご旅行で国際線のお客さまの需要喚起につなげることができると予想している。

 さらに以前からあるハブ空港の発想。自転車のハブとスポークを思い浮かべてほしいのですが、ハブ空港までは国内線を利用してそこからは国際線を利用する。香港、シンガポール、韓国に大規模空港がオープンして東南アジアのハブ空港となっているが、中部国際もそうなると思う。

 JALグループだけで国際線90便と成田線14便、計104便が就航予定。中部国際も非常に積極的で、名古屋近郊のお客さまだけでなく、東京、大阪を含む名古屋以外の地方から来るお客さまを取り込もうとしている。海外に行かれるお客さまが中部国際でコネクションできるのは、岩手の皆さまにとって非常に大きなメリットだと思う。

 −花巻にも台湾からお客さんが大勢来ている。アジアから開拓の可能性は。

 根木 台湾からのお客さまは引き続き大切にしていただきたい。これから取り組みが急がれるのは中国のお客さまだと思う。7月26日の記者会見で増田知事が「大連のある遼寧省をはじめ浙江省とか幾つかの省で短期ビザが解禁になるということなので、この機会に岩手を含む旅行商品を積極的に売り込んでいきたい」と述べられている。

 最近増えている中国からのお客さまのほとんどは海外留学を経験されたり、会社の要職に就いておられる富裕層が多い。メールが使えるインターネット環境が無いと避けられることも考えられる。以前は秋葉原やディズニーランドが主流だったが、今はある程度負担しても日本でしか味わえないものに目が向いていると聞く。三陸海岸や緑あふれる自然、すしや山海の珍味を含む日本の食事、世界遺産登録申請中の中尊寺など岩手には魅力的なものがたくさんある。

 旅行は思い出づくり。中国もそれは変わらないと思う。活字の情報より信頼する人の話が重要に受け止められる。必要な環境を整えてお迎えして岩手のいい思い出をつくってもらい、帰国して口コミで岩手の良さを伝えてもらう。そうすれば岩手県、東北地方のリピーター化につながり、花巻空港の活性化になる。お客さまと荷物、貨物だけでなく文化も運ぶJALとして岩手県の皆様に愛されるよう頑張ります。


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