2004年 9月 1日 (水)        

■  なぜ怖い糖尿病 岩手医大公開講座で佐藤教授が講義

 岩手医科大学の第25回公開健康講座が8月23日から5日間、盛岡市本町通3丁目の同大教養部で開かれた。同市内を中心に約35人が参加。同大の5人の教授が講義、最終日は糖尿病代謝内科の佐藤譲教授が「糖尿病はなぜ怖いか、なぜ増えているか」と題して講義した。

 戦後、日本の糖尿病患者は戦前の数十倍に増加。最近では40歳以上の6人に一人が糖尿病といわれている。糖尿病で怖いのは腎症、網膜症、神経障害の3大合併症を引き起こすこと。

 腎症では腎臓の働きを悪化させて腎不全、尿毒症に至る。こうなると人工腎臓で血液を洗わなければいけない。血液透析の原因として昔は慢性腎炎が主だったが、今は糖尿病が第1位になっている。

 中途失明の原因の第1位でもある。光を感じる網膜の血管が壊され、単純性網膜出血から硝子体出血を引き起こし、網膜剥離(はくり)に至る。年間3500人以上が同病で視力を失っている。

 神経障害としては、まず足の神経が鈍くなり、傷が出来ても気付かずに壊疽(えそ)させてしまう。ひどくなると足の切断に至る。非障害性下肢切断の第1位も同病が原因。そのほか、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化は同病以外の人の3倍の発病率になる。

 糖尿病の種類は4つあるが、戦後に増えた日本のタイプの90%以上は、中年以降の肥満に多い「2型」。同病の原因は遺伝因子と環境因子だが、遺伝因子だけでは発病しない。戦後、生活が急速に欧米化した。自動車の保有台数が増えて運動不足になり、高脂肪食が増えて肥満が増えたという環境因子が、増加の原因と考えられている。

 血糖値が、正常な人と同病の間の「境界型」の人は予備軍。今は症状がなくても、10年間で約50%が発病するという調査結果がある。血糖の上昇が高くないため3大合併症にはあまりならないが、動脈硬化は同病と同じぐらい進行していて、特に心筋梗塞になりやすい。

 心筋梗塞の死亡率は、空腹時血糖が高い人は正常とあまり変わらないが、食後2時間後の血糖値が高い人ほど上昇。病気になっていなくても、血管障害が進行しているので注意が必要。

 境界型の人に必要なのは生活習慣を改善すること。食べる量を腹八分目にし、脂肪を控えて多様な食品をバランスよく組み合わせること。1日10分間、今までよりもさらに多く歩くこと。目標は男性が9200歩、女性は8300歩以上。自分の適正体重を知って肥満を減らすことと呼び掛けた。


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