2004年 9月 2日 (木)        

■  物心ついた時から人馬一体 国体馬術に初挑戦の逢坂豪君

 雫石町長山晴山の逢坂豪君(15)=盛岡中央高1年=は、10月末に埼玉県で開かれる彩の国まごころ国体の馬術少年標準障害飛越競技に初出場する。父智博さん(42)が経営する雫石ライディングファームで9歳から手綱さばきを磨いた。高校生の少年の部では水沢農業が県勢の常連だが、盛岡地区勢として久しぶりに国体の切符を手に入れた。本番まで約2カ月。最高の「人馬一体」の妙技が出せるよう練習を重ねている。

10月の国体出場に向け、練習馬のチコ(7歳)に騎乗して練習する逢坂豪君(雫石ライディングファームで)
【写真】10月の国体出場に向け、練習馬のチコ(7歳)に騎乗して練習する逢坂豪君(雫石ライディングファームで)

 同競技は選手が騎乗した馬と障害物を飛び越えて争われる。飛び越える際にバーを落としたり、馬が立ち止まったり、ちゅうちょしたりするとペナルティーとなる減点法。これをクリアすると、決勝競技で終了タイムによって雌雄を決する。

 逢坂君は6月の県民体育大会同競技で公式戦に初出場。2人だけの決勝競技の1人に残り、東北総体出場権を獲得した。8月14、15日、水沢競馬場で開かれた東北総体は惜しくも決勝競技に進出できなかったものの、県勢トップの成績を納め、初挑戦で国体の切符を奪取した。

 県民体決勝で敗れた斉藤圭介君(水沢農業3年)は先月27日の全日本高校馬術選手権大会で県勢として初優勝を飾った。東北総体ではバーを2本落として8位だったのに対し、逢坂君は1本だけ落として4位に付けた。

 逢坂君は「国体出場は無理と思い全然考えていなかった。県民体では緊張したけど東北総体は適度な緊張だった。減点が少なかったことが勝因だった」と振り返る。大会での集中力の高さが結果に結びついた。

 大会で騎乗する県代表馬は県民体、東北総体でパートナーだったダンディフラッシュ号(18歳、雄)。高校生になって練習は学校が休みの日と早朝に限定されるが、学校側も大会出場のためバックアップしている。

 滝沢村にポニースクール岩手ができた89年、智博さんがインストラクターになり、一家は京都から本県に移住した。智博さんは国体2度の出場経験を持ち、妻美香さん(40)も乗馬キャリアは長い。サラブレッドともいえる逢坂君は当時生後4カ月。「気が付けば馬に乗っていた」と言う。

 伸び盛りの身長は現在168センチ。体重は52キロと馬の操作にはやや軽め。指導を受けて調教もこなしている。幼いころから馬と接した経験から身体能力の高さより人馬一体となるために重要な「心のセンス」がよく磨かれていると智博さんは話す。

 本格的に騎乗したのは小学校3年から。智博さんが独立して乗馬クラブを設立した97年だった。美香さんは「やる気になってほしいので、決して押し付けない。みんなが乗っているのを見て乗りたくさせ、まだやりたいと思うころ『きょうはおしまい』にする」と指導法を明かした。

 そんな逢坂君も「小学校卒業から中学校入学時は馬が怖くなって辞めたいと思った」と話す。「でも楽しい気持ちの方が大きかったから続けた。馬と会話することができて、どうしてほしいかをうまく伝えることができたら」と国体へ臨む決意を話す。

 智博さんは「豪は3年間で1度出場できればと考えたがうまくいった。騎乗馬は岩手競馬の所属馬だった。岩手競馬があって、いい馬が集まってくるから独立した。休養馬を預かるのも農場の大事な仕事の一つ。いい引退馬も来る。水沢は馬術への認知が高いが、豪や若い人が活躍して盛岡地区が馬術の盛んな地域になってくれれば」と期待する。

 雫石ライディングファームの問い合わせは電話019−692−6622。


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