2004年 9月 7日 (火)        

■  県産材住宅の現場へ イーハトーヴの森と家づくりフォーラム

 地元の木で家を建てる思想の普及に努めているイーハトーヴの森と家づくりフォーラム(山本信次代表・岩手大学助教授)の第3回勉強会・住宅編は5日、開かれた。約50人の参加者が県産材を使って建てた家と建築中の現場を見学し、建築士や大工から説明を受けた。

 2002年に建てた雫石町の家は、4世代の暮らす農家。山を所有していることから所有林の木も使った。世代のゾーニングと車いすを使う高齢の家族のためのバリアフリー、むくの材の使用と化学物質をなるべく使わないという環境面を主に考慮した。

 内部は天井板をあまり張らず、構造材がむき出しになっている。配電もむき出しで、床板も木の素材感を引き出すようにしている。

 設計、施工監理をした桜田文昭さんは「林業経験のある大工にしてもらったので、自前の木は実際に林に入って見立ててもらいチェンソーで切ってもらった。雫石町の製材所で製材し、伝統的な刻みをしてもらった。チェンソーで切ったときに丸太や切り株の年輪などを見ていたので、どう使おうかというイメージがしやすかった」。

 一方で工期を急いだため生木(乾燥が一般に比べ不十分)な状態で組んだことで、割れやゆがみが生じている。しかし「だれ一人不満を言わない」という。節のある材が多く使われているが「全部を無節の木だけで建てようとすれば、山は廃れる。もう一度、山のことを見直して考えてくれれば」と話した。

 建築中の現場は盛岡市内。改築と増築の家で、青森ヒバをわずかに入れているが、造作と床材をのぞいた木材が全体約31・6立方メートルのうち県産材は約29・6立方メートル。クリ、スギ、アカマツなどを使い、すべて天然乾燥材。

 伝統的な工法を知る大工が施工しており、見学時は建築現場で構造材の刻みをしている段階。機械化されたプレカットではできない、手仕事の仕口を見ることができた。生き物である木を見る職人の目利きを再認識するとともに、伝統的な工法技術の継承が危機的な状況にあることも実感させられた。

 設計、施工監理の澤口泰俊さんは「むく材を使う場合は慌てて作るものではない。なるべく工期を持った方がいい」と話す。むく材で施工後の割れ、よれの発生が言われるが、狂うものだと理解し納得した上で使う意識が重要と指摘した。


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