2004年 9月 8日 (水)        

■  〈美術〉散歩道の橋 及川久さんが墨彩スケッチ展

 盛岡市本宮の及川久さんの墨彩スケッチ展「散歩道の橋」が15日まで、同市本町通1丁目の喫茶ママで開かれている。市内を走る中津川と北上川のそれぞれに架かる橋をスケッチした作品9点を展示している。

及川久さんと「与の字橋」
【写真】及川久さんと「与の字橋」

 輪郭は、先を平らに削った割りばしに墨を含ませて描く。使う部分を変えることで線の太さを使い分け、かすれたり墨を継ぎ足したりという変化をそのまま生かす。墨の上にわざと水彩絵の具を載せてにじませたり、色をくすませたりして味わい深い表情をつくり出している。

 風景は上の橋や与の字橋、明治橋など、いつも通る散歩道。ほとんどの作品は暑い盛りの8月に制作。フィルムケースに入れた墨汁と絵の具を持ち歩き、すべてその場で仕上げている。

 制作には「足で歩いた苦労がなければいけない」と思う。大作のときに、やむを得ず参考にするとき以外は写真に頼らず、その場のスケッチを基にする。描いているうちに足りない部分があれば、何度でも現場へ出掛けてスケッチを重ねる。「楽に仕上げてはいい作品はできない」と思う。

 出掛けるときは、ポケットに必ず小さく折った画用紙と鉛筆を入れている。「これは」と思った場所に出合うとスケッチして、その印象を残しておく。描くよりも眺める時間の方が長いことも。夏の風景から雪景色を想像したりと、印象を自分の中で膨らませて制作につなげている。

 「作品を人前にさらすことは自分をさらすこと。自分らしいものを作っていかなければ。自分の内面に突っ込まなければならない」と思う。自分の気持ちが入っていなければ、見る人を引き付けられない。山に登ったときの感動など、自分が感じたものを表現したいと思っている。


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