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大型で強い台風18号は8日未明、本県に最も接近した。県内は台風通過後も吹き返しの強風に見舞われ、盛岡市内では午前7時36分に最大瞬間風速26・8メートルを記録。けが人はなかったが、同市内や周辺町村で収穫期を迎えたリンゴやナシが落下するなど、農作物に大きな損害を与えた。停電や倒木、建物の屋根が吹き飛ばされるなどの被害も出た。交通機関はJR花輪線などでダイヤが乱れたほか、花巻空港を発着する航空機の欠航が相次いだ。台風は本県を通過後、北海道を横断し、宗谷海峡で温帯低気圧に変わった。
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【写真】ほとんどの洋梨が落果し肩を落とす斎藤新一紫波農園農場長
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盛岡地域の西部地区では午前8時すぎからの吹き返しの南風で果樹に大きな被害が出た。紫波町水分地区では洋梨が大量に落果、矢巾町では南昌山ろくのリンゴ畑、盛岡市では湯沢、上飯岡、上鹿妻と強風が通過して大量のリンゴが畑中に散乱した。
県のまとめによるとリンゴの落果は15市町村に及び、うち盛岡市は90ヘクタール、花巻市48ヘクタール、紫波町30ヘクタール、二戸市26ヘクタール。紫波町の洋梨11ヘクタールに被害が及んでいる。
このほか各地でキュウリの葉すれ、リンドウの茎折れが発生。西根町ではビニールハウス357棟が倒壊破損し、11市町村で390棟の被害が出た。
紫波町小屋敷の紫波農園(谷地勉社長)は主力のラ・フランスが壊滅的な被害を受けた。台風をやりすごし、ほっとした瞬間に思いも及ばぬ強風が襲ってきた。
斎藤新一農場長が早朝、ほ場に来ると被害は予想の範囲内だった。ところが午前8時すぎに吹き返しの風がきた。「立っていられない風だった。どうすることもできないまま9割以上落果した。木も10本折れた。ラ・フランスはあと3週間で収穫するはずだった」と悔しそうに話していた。
昨年、水分洋梨生産協同組合から12ヘクタールのほ場を引き継ぎ心機一転して取り組んだばかり。その1年目に容赦ない洗礼を浴びた。早生品種のバートレットは15、16号で2割落果したが残りは収穫することができた。「今回も2割程度で収まればばん回できると考えていた」と斎藤農場長。ラ・フランスの落果被害は約60トン、数千万円の損害になるいう。
盛岡市湯沢の、熊谷民男さんのリンゴ畑も吹き返しの風で大きな被害を受けた。「15、16号よりも被害はずっと大きい。被害が軽い場所で1割、西側にあるここの畑は3割以上は落ちた」と話す。2カ月先に収穫する予定だった青々とした「ふじ」を眺め、「このほ場は共済に入っていない。拾い集めても金にならないが放っておくとネズミが出るから集めている」と肩を落とし、何度もため息をつきながらかごに放り込んでいた。
盛岡農業改良普及センターによると、落果被害は西部に集中している。それも午前8時から9時の間の吹き返しの南風が通過した後に集中した。紫波町水分地区から湯沢、上飯岡、上鹿妻を通り松尾村でも被害の報告が入っているという。東部や中央は西と比べ被害の程度は軽い。
水稲の倒伏は全体的にはほとんどなかったが、強風の通り道では押しつぶされるように倒れた水田が何カ所もあった。
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