|
岩手高原スキー場の引き受けに名乗りを挙げた鈴木総本社(本社・東京都銀座)の鈴木一正社長らは8日、雫石町を訪れ、中屋敷十町長らに6年間休業してきた同スキー場の今季はじめからの営業再開について説明した。撤退を表明したジェネラスコーポレーション(同東京都八重洲、渡辺竣社長)から営業譲渡の形で今月下旬までには正式契約するため、詰めの協議に入っていると言う。当初の入込数は10万人、売上高は3億円を見込み、「次年度には再投資できる事業規模にしたい」(鈴木社長)と意気込む。
引き受け後は「岩手高原スノーパーク」に名称が変更される。鈴木総本社が100%出資する関連会社が運営を行う。ジェネ社は既に施設とリフトの改修、点検整備に事業費3億円で着手している。
同日は鈴木社長、二十軒伸夫常務ら鈴木総本社の3人、権藤義弘ジェネ社常務・経営企画室長、同社代理人の内海雅秀弁護士、嘱託社員の3人が同町役場を訪問。中屋敷町長、杉田和正議長らが対応した。会見も開かれた。
鈴木総本社側は正式な契約をへて、積雪期に入る12月中旬の再開に向け、東北運輸局へのリフト(索道)の新設免許申請、国有林使用許可変更、民有地使用の切り換え、保健所への申請など諸手続を行う。すべての許認可が得られるまでに2〜3カ月かかる見込み。
内海弁護士によると、ジェネ社は民事再生法申請以降、岩手高原スキー場を含めたスポンサー探しに努めたが、引き受け手がなく断念。スキー場を切り離して候補者を選定した。鈴木総本社へ7月末に譲渡を打診。先月19日に両社が基本合意した。
契約の内容については、現在協議の最中だと説明しているが、譲渡の範囲はスキー場関係施設のみで、付近のテニスコート、岩手高原ペンション村の水道施設などの管理は除外されている。
合意については、今季の営業再開ができるようジェネ社側が施設整備を行うこと、鈴木総本社が従業員雇用で地元雇用を重視することなど。同社は季節雇用で約100人を見込んでおり、今月から募集する方針。施設を維持管理してきた従業員をそのまま引き取る。
鈴木社長は会見で「初年度が特に大事。6年間休業で離れた客にもう一度戻っていただけるオペレーション、サービスを作っていきたい」と意気込んだ。
引き受ける要因は「当社は1959年(昭和34年)からスキー場経営をしている。6シーズン休業していたのにゲレンデやリフトをしっかり保守管理している。コースを見てポテンシャルの高さを感じ、かなり客に喜んでもらえるスキー場になるのではないか。経験上事業化できると確信した」と説明した。
「ゲレンデアイテムを増やしたい。比較的ファミリータイプだったようだが、上級者や女性にも来てもらえるような幅を広げて客が来るようにしたい」と語り、ペンション村など町内の宿泊施設とは「既に連絡をもらっており二人三脚で進みたい」と述べた。
鈴木総本社はスキー場、ゴルフ場、ホテルなどレジャー施設の運営を展開。経営難のレジャー施設買収も積極的に行っている。
中屋敷町長は「岩手山に泣かされた分もあるが、西側の入山規制も緩和された。スキー場の再開に感激しており、町にとって朗報。再開への取り組みに関してはできるだけ支援したい」と話した。
ジェネ社は10月末までに民事再生法の再生計画案を東京地裁に提出する予定という。
|