2004年 10月 2日 (土)        

■  〈美術〉焼き上げた迫真性 渡辺さんが陶面展

 滝沢村牧野林の渡辺芳明(陽岳)さんの第2回陶面展は3日まで、盛岡市安倍館町の一ノ倉邸で開かれている。古代からの純粋な土着信仰の表れである日本や海外の面を焼き物で作り出した作品など100点を発表している。

陶面展を開いている渡辺芳明さん
【写真】陶面展を開いている渡辺芳明さん

 渡辺さんが陶面制作を始めたのは1988年。作っている青森県の男性を取り上げたテレビ番組を見て興味を抱き、こつを教えられて作り始めたという。知り合いの窯で焼いていたが、昨年の定年退職を機に同村に桃源郷窯を築造した。今展の大半は築造した窯で焼いた新作で占められる。

 作られている面は、武悪、鬼神、鬼、権現面、天狗、カマ神、菩薩や不動明王など、民俗信仰や宗教に関連した日本のもの、ペルーや中国、メキシコ、ザイールやナイジェリアなどで古代に作られた仮面など。

 渡辺さんは「人間の顔もそうだが、面相に非常に興味をそそられる。皆、角度が違えば表情も違うし喜怒哀楽が出ている。自分の手でどうにか表現したい」とこだわる。面を作ろうと思わなければ焼き物を始めなかった。最初に興味を持ったのは日本の面。「憤怒の相に引かれた。一番魅力がある面相」という。

 日本の面は木彫りが多い。それに対して、渡辺さんの陶面は仕上げによって金属的であったり木製のように見えたりと多様だ。木製は彫り上げていくが、陶面は型を使わず、指で土に凹凸を付けていく。しかし、面のラインは近似している。

 表面は固まる前に一気に仕上げなければならない。乾燥具合を見ながら、厚さ1_程度に裏彫りするが、この作業が最も難しいという。陰干し後、窯焼きし下地処理と仕上げ剤で色合いを出していく。

 渡辺さんは「土着的な信仰のにじみ出ているようなもの。純粋な信仰心が感じられる。昔の人がよくこのような面相を生み出したと驚いている」と話している。

 11年前に花巻市で開いて以来、2度目の作品展。面のほか、レリーフ、土偶、作り始めたばかりの「縄文風ぐい飲み」などの作品が並んでいる。


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