2004年 10月 3日 (日)        

■  〈美術〉平和支える悲しみを描く 宮崎敬喜さんが初めての個展

宮崎敬喜さんと最新作「消滅の過程−K」
【写真】宮崎敬喜さんと最新作「消滅の過程−K」

 盛岡市大新町の宮崎敬喜さん(76)の個展が4日まで、同市中ノ橋通1丁目のギャラリーおでってで開かれている。半世紀を超える油彩のキャリアを持つ宮崎さんだが、大きな会場を使った本格的な個展としては初めてになる。1980年代から現在までの作品43点を出展している。

 若いころから青、特にセルリアンブルーが好きだった。市内の出身だが、海に引かれ続けていることが色に反映していると思う。下地以外では白をほとんど使わず、透明感にこだわる。

 「ブルーには1本透き通った感じがある。青は冷たい色だが、そこに温かみを持たせたい。グリーン系を合わせて柔らかさを出している」と話す。

 モチーフには街の中の建物をよく取り上げる。それぞれの建物の形は崩され、深い青の中に沈んでいる。「建物の中にはそこに暮らす人たちの喜怒哀楽、人生が入っている。絡み合ったそれぞれの人生を眺めているのかな」と思う。

 出展作の中で最も新しい作品「消滅の過程−K」は6月に描き上げたもの。世界の各地で起こっている戦争と、今は取り壊されてしまった国鉄盛岡工場に思いをはせた。

 「自分たちがこうして絵を描いていけるのも平和だから」と実感し、その一方で「何にでも必ず消滅の時期があり、新しく生まれてくるものがある。一見、相反するが連動している。それを自分なりに構成した」と話す。

 「新しいものが生まれる喜びもあるが、消えていくものへの悲しみもある。人ばかりではなく、建物にも。それが、現在の制作の根底にある」と思っている。

 念願の個展を開催したことで「勇気がわいてきた」と言う。「イメージは泉のごとくわいてくる。まだまだ描かなければ。これからまた大作に挑戦して、また個展を開きたい」と意欲は尽きない。


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