2004年 10月 5日 (火)        

■  ドイツ年に共同開催事業 ラインラント・プファルツ州知事が来県

記者会見に臨む独ラインラント・プファルツ州のクルト・ペッグ首相と増田寛也県知事
【写真】記者会見に臨む独ラインラント・プファルツ州のクルト・ペッグ首相と増田寛也県知事

 独ラインラント・プファルツ州のクルト・ベック首相は3日から2日間の日程で本県を訪問し、増田寛也県知事と対談するなど、講演や記者会見などを勢力的にこなした。対談では、今後の具体的な交流について話し合われ、05年度の日本におけるドイツ年では、県と共同で事業を開催する方向で一致した。

 今回の訪問はベック首相の東アジア外遊の一環。州政府関係者、議会議員、報道関係者ら一行27人と中国の福建省を訪問後本県入りした。同州は94年から岩手ラインラント交流協会(石渡隆司会長)を受け入れ先に留学生を派遣して交流。99年には「協力と交流の目的行に関する基本合意書」を締結し、官民の連携を図り交流を促進している。

 対談は非公開で行われたが、共同記者会見ではベック首相と増田知事が、対談の内容に触れながら今後の具体的な交流について発言した。

 増田知事は「ベック首相とは5年ぶりの再会。まずは10年間の交流に関して改めて確認し合った。基本合意書を踏まえさらに交流を深めることも確認し合った」と説明した。

 その上で「来年のドイツ年には県と州が協力した事業を行う方向で検討することになった。日本各地の関連のフェスタの状況や政府の動きなどの情報を得た上だが、環境関連の事業を検討したい。ドイツは環境意識が市民レベルでも根付いている。環境関連の取り組みが活発」と述べた。

 ベック首相は「環境技術や政策が大変重要ではないか。空気や水の汚れを防止する技術、リサイクルやバイオエネルギー、風力やソーラーエネルギーの開発に関しても交流したい。当州の環境大臣とそのグループを派遣したい。環境と経済の関係は大変重要で互いの専門家同士の交流も」と積極的に取り組む姿勢を示した。

 経済面での交流に関してはベック首相が「経済交流は大事。互いの商工会議所クラスを含めた経済交流を」と話した。

 講演は「東西ドイツの統合とEUの拡大」がテーマ。ベック首相は同州のPRをしながら、今後のEUの動きなどに触れた。02年にユーロ通貨を導入したEU加盟12カ国は共通通貨の使用を開始した。

 「ユーロ通貨が発行され安定した。ドルを上回る価値を持つことになった。大きな前進。EUにはさらに新規の10カ国が加盟し東側へ拡大している。東西の分断が解消される。拡大EUの人口は4億550万になる。今後はロシアとも友好関係構築へ向かう」とEU拡大の流れは止まらないと言う。

 拡大による課題にも触れ「スロベニア、ハンガリーなどとの統合はチャンスではあるが課題でもある。低賃金労働者がドイツの雇用問題を起こす」と指摘。その上で課題を抱えながらも「ドイツ自体の経済規模は拡大し貿易黒字は増加すると思う」と述べた。

 同州の人口は約400万人。ドイツ最大のテレビ局や化学、医学の世界的な企業の本部がある。ライン川の渓谷地帯が昨年、世界遺産に登録された。ローマ風の円形劇場もある。ベック首相は「当州は東西の懸け橋的な場所にある。工業都市もありワールドカップで活用可能なサッカー場もある。交通インフラも整っている。ぜひ当州へ」と、詰め掛けた300人の県民にトップセールスをした。


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