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本県美術界の指導的な役割を果たしてきた作家、杉村英一さんが6月に、78歳で急逝した。10月には盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子で2年ぶりの個展を開く予定で、死の前日まで元気だったという。その突然の死を惜しんだ仲間たちが遺作展を開こうと準備を始めている。ギャラリー主宰の村井睦平さんを中心に県内で活躍する美術家たちが集まった。遺作展は「杉村英一展〜青への軌跡」と名付けられ18日から行われる。
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【写真】杉村英一さんの遺作展に向けて準備を進める実行委員会のメンバー
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画暦50年という杉村さんと時代を共有している大宮政郎さん、柵山龍司さんらを中心に友人、知人13人が実行委員会を結成した。
メンバーが自宅を訪れ、アトリエの中を整理。初期から最近までのほとんどすべての作品を見てアウトラインをつかみ、約200点をギャラリーに運んだ。一つひとつの作品をきれいにして寸法を測り、写真を撮ってリストを作成するまでに約1カ月。その中から各時代を代表する、展示にふさわしい作品を話し合いながら決定した。
娘の康子さんは「父が亡くなる前にこの日程で会場を予約していたと聞いて、何か作品を出そうとは思っていたが、絵に関しては家族はほとんど分からない。アトリエは父の城で勝手に掃除をすると怒られた。皆さんが企画してくれて本当にありがたい」と言う。
「展覧会のたびに時間に追われていた。当日の朝まで制作しているという感じ。5分前まで普通に話していたのにという突然の死だったが、そういう死に方をしたいと話していた。気持ちの若い人だった」と思い出を語った。
大宮さんは「杉村さんというとブルーの作家と思われるがそれは50年の画暦の中の最後の10年間。それ以前の40年間は全然別のものを制作していた。それを若い人たちにも知らせたい。若いころは黒も赤も使ったし具象画も描いた。最後のブルーに至るまでの辺りが見えてくると面白いのではないか」と意気込む。
1926年(大正5年)に宮古市に生まれ、50年代から個展の開催や二科展への出品など精力的に作品を発表。60年代にはグループ「N39」の一員として活躍。
以後、県内の中学校の美術教諭として働きながら、大宮さん、柵山さん、村上善男さんら県を代表する作家たちと共に活動してきた。85年には県優秀美術選奨も受賞した。
同展には初期50年代の油彩画から60年代のはんだ、トタン、ステンレスなどの金属を素材とした作品、70から80年代の鉛筆の粉を塗り付けた作品や漆黒の箱シリーズ、晩年の青い平面作品まで約60点を展示。半世紀にわたる多様な画業を一望できる展覧会を予定している。
初日に開かれる「偲(しの)ぶ会」の中で大宮さんが進行を務める「語る会」を開催。パネラーを康子さんや柵山さん、村井さん、岩渕俊彦さんらが務め、杉村さんの生き方、画業の検証、作品の本質に迫る。
10月18日から23日まで。入場無料。問い合わせは同ギャラリー(電話番号は019−653−4646)まで。
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