2004年 10月 8日 (金)        

■  バスが街に活力注入 盛岡で各地が知恵絞る全国サミット

 全国オムニバスサミットinもりおかが7日、盛岡市盛岡駅西通2丁目のマリオスで開かれた。同市の主催。オムニバスタウンに指定されている全国11都市の自治体関係者やバス事業者ら約700人が参加。各都市の取り組みの成果について意見交換し、バスの利用促進と公共交通を生かしたまちづくりについて考えた。

全国オムニバスサミットの関連イベント・おもしろバスの展示で紹介されたハイブリット電気バス
【写真】全国オムニバスサミットの関連イベント・おもしろバスの展示で紹介されたハイブリット電気バス

 サミットはオムニバスタウンに指定されている都市を会場に年1回開催され今年で3回目。東北地方では初めて開催された。開会行事で谷藤裕明盛岡市長は「サミット開催を契機に、より一層のバス利用が促進されることを期待したい」とあいさつ。このあと、各都市の取り組みを紹介するトークセッションや盛岡の事例をもとに都市交通としてのバスの可能性を考えるパネルディスカッションが行われた。

 オムニバスタウン計画事業実施の問題点と解決策を取り上げたトークセッションでは、浜松市が新しいバス料金の会計システムとして磁気式プリペードカードに代わるICカードシステムの導入を紹介。

 ICカードは繰り返し使える上、さまざまなデータを蓄積できるため、利用者の年齢や利用ルートなど交通施策に役立つ情報を毎日の運行で収集できるメリットがあるという。市の担当者は「収集した情報を今後の交通施策に大いに反映させていきたい」と話していた。

 藩政時代の街並みが残る金沢市では、都心部の細街路に小型ノンステップバスを運行。中心市街地の活性化に結びつけている。

 乗用車からバスに乗り換えて都心部に移動してもらう「通勤パーク&ライド」の取り組みでは郊外の商業施設のスペースを無償で借り受け、通勤用乗用車の駐車場を確保。駐車場利用者にはこの商業施設の商品券を決まった額だけ購入してもらい、商業施設も恩恵が受けられるよう工夫しているという。

 「現在5カ所、199台分を確保している。本当は300台はほしいところ。今後は行政がきちんとした場所を確保していかなければならない」と課題を説明した。

 パネルディスカッションでは東北大学大学院助教授の徳永幸之氏、交通ジャーナリストの鈴木文彦氏、いわてNPOフォーラム21代表理事の久木田禎一氏、県立大総合政策学部3年の菅原智恵さんが、バス交通の復活をテーマに意見交換した。

 久木田氏は「渋滞解消のために道路を拡大するのはもはや限界。マイカーから公共交通機関への乗り換えが課題になる。バスの利用者が減り、運賃が値上がりし、また客が減るという悪循環が、オムニバスタウンの取り組みで断ち切れた。今後は鉄道とバスをいかに結びつけていくかなどコーディネート機能が問われるのではないか」と話した。

 鈴木氏は松園地区のゾーンバスについて「乗り継ぎの不便さの解消や定時運行の徹底など、利用者の立場から問題点を整理し改善していったことが成功につながった」と評価。「都心でスムーズに運行させる方法など、今後も改善していかなければならないことはあるが効果は上がっている。便利になった部分ももっとアピールを」と継続的な取り組みを期待した。

 マリオスのエントランスホールや盛岡駅西口バスターミナルでは、関連イベントとしてボンネットバスなどおもしろバスの展示やバスグッズの販売会、バス百年パネル展なども開催。もっとも身近な交通機関として親しまれてきたバスの歴史や魅力をアピールした。


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