|
北海道・北東北3県シンガポール事務所共同事業・地場産品海外販路拡大ビジネスセミナーが5日、盛岡市盛岡駅前通のホテルメトロポリタン盛岡で開かれた。北東北3県の食品メーカーや貿易会社などから50人が出席した。
伊勢丹シンガポールの大塚嘉一食品統括部長、シンガポール明治屋スーパーマーケットの郡司清宏ゼネラルマネージャーの2人が登壇し、シンガポールの食生活の現状や流通事情の厳しさなどを報告。今後の企業戦略などに触れた。
昨年9月に本県を含む4道県がシンガポールに共同事務所を開設。貿易の振興や企業の海外活動の支援などの業務を開始した。今回のセミナーは共同事業の一環。
大塚部長はシンガポール人の流動資産(現金、株など)が5年間で急増し、4人に1人はすぐに活用できる550万円以上の資産を所有していることを強調した。「十分に金がある人が多い。何かに興味を持てば金を使う」と、シンガポールが経済的に豊かな国であることを紹介した。
シンガポール人の45%は1日3度の食事をすべて外食で済ませると言う。「共働きがほとんど。女性の社会進出が進んでおり男性より高い地位にいる女性が多い。食事は朝食から家族そろって屋台風なフードセンターで食べる。そこから会社や学校へ。帰りも同じ場所に集まり夕食を取る」と、シンガポール人の平均的食事のスタイルを示した。
食品の輸入に関しては、サーズや狂牛病などで現在肉類は輸入禁止。「ルールが明文化され即座に罰金を徴収される。日本の肉類の加工食品も駄目。ビーフカレーやミートボール、ギョーザなどは輸入されていない」という。
大塚部長は「伊勢丹はシンガポールに4店ある。日本は婦人服を中心の店舗展開だが、シンガポールでは食が中心になり来店してもらっている。シンガポール人は新しい商品に高い関心を示す。日本の食をセールスプロモーションで明確に伝えたい。05年1月には皆さんと商談した上で物産展を開催したい」と今後の展開も話した。
郡司ゼネラルマネージャーはシンガポール大丸の撤退後の店舗を、スーパーマーケットにして立て直しを図った。「大丸にはかなりの量の食品を卸していた。その穴を埋める必要からスーパーマーケットを開いた」と経過を述べた。
シンガポールには日系の大手流通が進出するが撤退するケースが少なくない。八百半、三越、東急が相次いで撤退した。現在は伊勢丹、明治屋のほか、西友、高島屋が出店。地元ではゴールドストレージと日本の生協のようなNTUCの2社が大手で、日系企業がそう簡単に食い込めない状態。
郡司ゼネラルマネージャーは「フランスの最大手カルフールも2店出している。ゴールドストレージは、ジャイアンツという巨大スーパーを立ち上げ外資と戦いの状態。当社では日本食をメーンにニッチなマーケットで販路拡大しなければサバイバルできない」と厳しい流通戦争の現状を報告した。
県商工労働観光部観光経済交流課の松川求課長は「シンガポールは昨年、サーズの影響で経済は1%成長に終わった。しかし今年の第1四半期で前年度比7・5%増、第2四半期で同比12・3%増と回復基調にある。在留邦人は2万人おり魅力ある市場。当県ではこれまで18回に及び、県産品を紹介してきた。縁のある国」と話した。
この日は個別商談会も行われ、県内の酒造や菓子メーカーではシンガポールで自社商品を取り扱ってもらうよう積極的にPRしていた。
|