2004年 10月 9日 (土)        

■  危険業務従事者叙勲瑞宝単光章 花坂廣治さん(61)

 向学心おう盛。自衛隊入隊後、あらゆる資格に挑戦した。自動車運転の技能指導員、大型けん引、大型特殊、危険物取り扱い、ボイラー、フォークリフト、溶接など十数種類に上る。

 茨城県内の短大建設用地で、昔落とされた不発弾の処理に従事した。

 不発弾の処理は自衛隊員の特殊技能であり専門分野。金属探知器でおよその場所は分かるが、鉄片などにもすぐ反応してしまう。

 花坂さんを含む総勢50人が延べ20日間、地道に手作業で穴を掘った。

 「毎日掘り続けていると、女子学生が激励に来てくれて、意気揚々と作業しました。いなくなると脱力してしまう。雨が降ると、翌朝穴はすべて埋まっていたんです」。

 幅20メートルの穴を掘り、ようやく不発弾を確認。爆発せず地中を「歩いたあと」をたどった。

 「弾は土の柔らかいところを逃げ、追い続けたら自分が立っていた真後ろに不発弾がありました。種類によって触れた先や温度でいつ爆発するか分からない。弾は生き物だと思いました。爆発の理屈を知らずに抱いて走り回ったこともありましたが…」。振り返ると冷や汗が出る。

 現在は資格を生かし、県交通安全協会講習部に所属。滝沢村一本木の運転免許センターでドライバー養成に当たる。「指導し指導されている。交通社会は日々変化しており、わたしも事故を起こさない保証はない。常にきょうはわが身ですよ」と笑う。

 病院で高齢者の世話をしたり、社会福祉協議会など主催の登山で障害者を支援したりしている。免許センターに多く訪れる難聴者の対応を充実させたいと、現在は手話の勉強中。

 「もし自分が当事者ならと考え行動しています。多くの先輩、関係上司、同僚、後輩、家族に支えられてきました。金はなくても心の貧乏にはなりたくありません」。精進はこれからも続く。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします