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岩手地域開発研究会(会長・奥寺一雄盛岡タイムス社会長)の10月例会は28日、盛岡市内で開かれ、国の方針に反していち早く「合併しない宣言」や全国初の住基ネット不参加を表明した福島県矢祭町の根本良一町長が講演した。「合併特例債ありき、財政難ありきの合併ではいかがか。薄い水と薄い水を混ぜても濃くならない」と持論を展開した。自身5カ年で職員定数を109人から50人に半減、財政力指数を0・4に上げた、公債費比率を12%台、経常収支比率を60%台にするなど、町単独の自立に向けた取り組みを紹介した。
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【写真】合併しない町単独の自立への取り組みについて語った根本良一矢祭町長
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根本町長は行財政上、「一番高いのは人件費。全職員の1人当たりの年俸は870万円。町民の家計所得は270万円。役場、国も県もこの問題をタブー視してきた。そこに手を付けなければ自立もできない」と説いた。
同町の職員数はピーク時の150人から、定数109人。前年度までに嘱託職員34人の更新をやめ、一部外部委託などをしながら、現在81人体制で仕事をしている。8年後は50人規模にするという。
「嘱託の議員の娘、わたしが世話になった人の娘にやめてもらい、人の血が通っていないとも言われたが、人件費で7千万円、議員も自ら定数を18から10人にしたことで3千万円と年間計1億円が浮いた。行政は採算ベースで1人でいいところに3・5人いる。それを1・5人にした。今は5倍働き、職員が毎日廊下を書類を持って走っている」。
町長、助役(収入役はいない)、教育長の給与月額を「一番働いている総務課長に合わせた」ほか、税務課を廃止して職員が各地域で帰宅時に税徴収している。係長が職を返上し、自動的に組織がフラット化された。
「午前7時半から午後6時45分までのフレックス制なので超過勤務が年額3800万円削減された。税徴収のため領収印、領収書を各自に持たせているが、一度も不手際はない。こうすれば必ず豊かになる」と言い切る。
「インフラ整備は余財を集め、ほぼ完了している。ただ自主財源がなく、節約に努めた。町内団体への補助金も切り詰めた。婦人会は1万円からさらに7千円にしようとしたが、要らないと言われた。活動はやめないと力強く言われた。財政調整基金は現在11億円。これから全く何もしないことはなく、交付金などが減っても国に迷惑をかけず行政運営できる自信がある」。
町の出生率は全国平均を上回る。高齢化率29%だが、要介護3は全国平均12%より低い10%で、介護保険料は1人当たり1940円と全国平均3千円を下回る。国の試算で8年後は平均6千円となるが、同町は3千円で運営可能と推計する。
現在900人規模の工場がある企業と協定を結び、道路整備や用地造成など条件整備により3千人規模の工場立地が進んでいる。近い将来人口が1万人を突破する見込み。
「あとは合併新法施行以後、県知事がどう判断するかだが、息苦しくならないよう明るい将来を見通せる取り組みをしている」と主張した。
根本町長は現在6期目。01年に「合併しない宣言」をし、02年7月には住民基本台帳ネットワークシステムへの不参加を表明。矢祭町は人口約7千人。福島県最南端で茨城、栃木両県境に接する。
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