2004年 11月 3日 (水)        

■  〈美術〉ペルシャンブルーの世界 菊池如水さんが個展〈写真〉

工藤宏太さんとの偶然出会った場所の作品「龍泉洞から流れ出る地下水の湧口が美しい」と菊池如水さん
【写真】工藤宏太さんとの偶然出会った場所の作品「龍泉洞から流れ出る地下水の湧口が美しい」と菊池如水さん

 盛岡市西仙北2丁目の菊池如水さん(82)の「旅の魅力にほだされ展」は6日まで、同市上ノ橋町のギャラリー彩園子で開かれている。油彩のペルシャンブルー単色で描いた風景画の最新作約20点を展示。岩泉町、八幡平、安比高原、三陸海岸、長野県の北アルプスが今回の作品の旅先。特に早坂高原は初めて本格的に相対した感動を筆で走らせ、岩泉純木家具製作の原木を使った額縁との組み合わせも初めての試みとなった。

 5月3日、屋根のないアトリエ作家と呼ばれている菊池さんは岩泉町の龍泉洞の橋の辺りで絵を描いていた。岩泉純木家具の工藤宏太代表も同日、龍泉洞に足を運び、絵を描く男を目に留めた。工藤さんはしばし眺め、作業が一段落したのを見計らってそばまで行った。目にした絵に息をのんだという。

 2人の偶然な出会いが今展につながった。菊池さんの絵を原木を生かした額縁に納めたいという工藤さん。2人の間で話はまとまった。10月14、15日、2人は早坂高原で落ち合い、高原を歩き回った。早坂高原の絵はこのとき、1日半で描き上げた作品だ。

 工藤さんから用意されたのは樹齢数百年のハルニレの木など。フレーム枠など条件が決まった中で、菊池さんは早坂高原に向き合った。

 菊池さんは町内の小本小で絵画教室を開いたこともあり親しみのあった町。しかし「早坂高原とこれだけ向き合ったのは初めて。想像しなかったものを感じた」。それはにおいだった。旅先のそれぞれの土地で感じるにおい。早坂高原ですぐに感じたのは「風韻」だったという。

 「基本的には旅人生の中で、今回新しいものに気が付いた。描くものは1枚も無駄にならないようになった。それでも北アルプスでも奥羽山系でも三陸でも足りないものがあると感じていた。早坂にはなごみを感じる一方で激しいものを秘めていると風景が見せてくれた」と話している。

 現実の早坂高原は気候条件が厳しい。冷涼な中で植物たちが育っている。その中であえぐような枝振りで生きる木々の姿に見せられた。その姿への感動が絵に表れている。


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