2004年 11月 8日 (月)        

■  盛岡農業高がアベック優秀賞 全国農業クラブ連盟大会で

 盛岡農高(及川孝校長)食品科学科の8代目パン研究班(松村友美班長、9人)と生物工学科のムラサキ保護研究班(工藤奈津樹班長、10人)は、先月20日に横浜市であった全国学校農業クラブ連盟大会でアベック優秀賞に輝いた。パン研究班は3度目の出場で3度目、ムラサキ保護研究班は初出場での入賞。

 環境省のレッドデータブックで絶滅危ぐ種に指定される幻の花・「ムラサキ」の人工培養に国内で初めて成功した。ムラサキはムラサキ科ムラサキ属の多年草。西根町の伝統工芸品「南部紫根染」などの染料として乱獲されたうえ、数年で株が消滅するという“弱い”花だったため、国内の自生地はほとんどが姿を消し、西根町の町花にもかかわらず、町民の認知度が極めて低いという状況を招いていた。

 西根町出身の工藤奈津樹班長(18)は入学当時、初めて古里の町花・ムラサキの存在を知った。西根町唯一の自生地である渡辺寛栄さん宅から貴重な種子を分けてもらい、町花復活のための研究を始めた。

 だが、ムラサキの発芽率はわずか4%と極めて低いうえに、無菌状態で種まきをすると9割以上にカビが生えるという事態に直面した。

 研究班は、種子が固い殻に覆われていることに注目。顕微鏡を使って、直径約2ミリほどの種子から1ミリにも満たない胚を摘出する「胚摘出法」を開発し、発芽率ほぼ100%を実現させた。胚の摘出は熟練者でも一つあたり約5分、慣れない人だと15分から30分ほどもかかるという至難の業。研究班では摘出法をマニュアル化するなど、摘出技術を確立させた。

 さらに、西根町の自生地で土壌の成分を分析し、スギ皮や岩手山の火山灰などを混ぜ、自生地そのままの環境の再現に取り組んだ。今年5月、西根町の自生地に人工培養した苗を植える「里帰り」を成功させ、秋には待望の花が咲いた。

 同班を指導した同高山田智彰教諭は「自然界では発芽に2年、花が咲くまでに1年、染料として使えるまで根が育つのに4年ほどかかる。人工培養では、1年目で花が咲くまでに成長した。自生地の環境で育てた苗を使っていけば、かつて日本一と称されたムラサキが西根町に咲き誇る日も夢ではない」と話す。

 工藤班長は「わたしたちの培養方法は、増やすことよりも自然に戻すことを第一に考えたもの。自生地の保護活動に生かして、西根町が全国に誇れる紫根染が復活してくれたら最高です」と話していた。


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