2004年 11月 10日 (水)        

■  岩大農業資料館でジャズコンサート 室舘彩さんが28日に

 岩手大学出身のボーカリスト室舘(むろだて)彩さんが、ドイツのジャズピアニストのワルター・ラングさんと、盛岡市で初めてのコンサート「ロータス・ブロッサム・ジャパンツアー2004in岩手」(「ロータス・ブロッサム」盛岡実行委員会が主催、岩手大学情報メディアセンター岩手大学ミュージアムが共催)を開く。会場は国の重要文化財、岩手大学農学部附属農業教育資料館の講堂。ピアノは宮沢賢治が学んだ当時から会場に設置されていたものを使用。賢治も聴いたであろうピアノの音色で、賢治や石川啄木の詩の曲も演奏する。

農業教育資料館講堂で実行委員会会長の冨山智加江さん。ピアノはコンサートで使われるもの
【写真】農業教育資料館講堂で実行委員会会長の冨山智加江さん。ピアノはコンサートで使われるもの

 室舘さんは卒業後、大編成ジャズバンド「渋さ知らず・オーケストラ」でボーカルやフルートを担当。国内だけでなく、ヨーロッパを中心に世界各地で活躍。ラングさんにボーカルとして迎えられ、02年にCD「ロータス・ブロッサム」をリリース。盛岡は全国12カ所を回るジャパンツアーの2カ所目になる。

 室舘さんは「この学校を出ていろんな世の中と出合い、宮沢賢治の歌を歌う現実と出合い、その歌を持って世界を回れるようになった今、わたしや宮沢賢治にとって原点である岩手大学での公演は、ある意味何かの節目であり、出発点であると思う」と意欲を見せる。

 実行委員会会長を務めるのは、室舘さんの大学時代の同級生の冨山智加江さん。室舘さんから会場の相談を受けたとき、真っ先に思い付いたのが同資料館だった。「2人の学生時代からのあこがれの建物。青春の場所だったこの会場でコンサートを開こう」と、同級生を中心に企画を立ち上げた。

 コンサートの打診に同大は快諾。同会場でのコンサートは2002年にミュージアムの委員を務める職員が企画したものに引き続き2回目になる。

 準備を進めるうちに委員の前に立ちはだかったのは、2階の会場にピアノを運び込めないという制約。途方に暮れていると、大学側が資料館に設置されているドイツ製のピアノの使用を許可。

 ピアノは賢治が在学していた盛岡高等農林学校時代の1917年(大正6年)ごろから講堂に設置されているもの。77年の旧制盛岡高等農林学校の修復後、今回初めて使用されることになった。

 ミュージアムの岡田幸助館長は「賢治も学んだ建物で当時のピアノを使用してのコンサートはとてもいい企画。研究教育に差し支えない範囲で、農業教育資料館を含めミュージアムを大いに市民の方に利用していただきたい。皆さんでコンサートを楽しんでください」と話す。

 冨山さんは「今回のコンサートではミュージシャンと同じぐらい、建物とピアノも主役。会場の音の響きもいいので、どんな演奏になるのか自分も楽しみ。賢治も聴いたピアノの音色も楽しんでもらいたい」と呼び掛けている。

 28日の午後1時開場、同1時半開演。入場料は無料。先着順に入場。定員は170人。実行委員会ではコンサート費用を協賛金、賛助金として集めている。協賛金は一口1万円、賛助金は一口2千円。演奏中は暖房を止めるため、厚着を呼び掛けている。

 すべての問い合わせは代表の冨山智加江さん(電話番号は090−9377−8731)まで。


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