2004年 12月 01日 (水)        

■  治水計画の議論尽きず 簗川流域懇談会

 簗川の今後20年から30年の河川整備目標や盛岡東圏域河川整備計画に、有識者や流域住民の意見を反映させるための第2回簗川流域懇談会(会長・堺茂樹岩手大工学部教授、委員20人)が11月30日、盛岡市内で開かれた。簗川ダムの治水計画をめぐって議論が交わされたが、予定されていた3時間を過ぎても発言は尽きず、次回も引き続き話し合うことになった。

 懇談会は盛岡地方振興局の主催。事務局が基本高水流量(きほんたかみずりゅうりょう)の決定など治水計画策定の流れについて説明したあと、委員がそれぞれの立場から意見を述べた。

 簗川のダムと自然を考える市民ネットワークの八幡●子代表世話人は、ネットワークが作成した資料を示して基本高水流量計算の問題点などを指摘。「簗川の特性について十分な説明がない。事務局が提供した資料だけによらず、あらゆる資料を出した上で計画が妥当かきちんと検証する必要がある。ダム以外にももっとさまざまな治水の方法があるはず」などと述べた。

 根田茂、川目地区など流域住民の委員からは、洪水被害の体験や護岸の侵食の実態などを指摘する声が相次ぎ、ダム建設による早期の対応を求める意見が目立った。

 根田茂心和会の澤口忠会長は「ダム建設の話は50年も前からあり、地元では、いつかは出来るものと思ってきた。既に地域の半分が移転してから10年。今さら元の土地には戻れない。残った半分も荒れたダム建設予定地を眺めている状態。このまま、中途半端に事業がとん挫すれば、今まで投資した事業費はそれこそ水の泡になる」と訴えた。

 世界的な環境の変化が顕著になっていることから「過去のデータはあまり参考にならなくなっている。流量は多めに見積もるべき」「流域の安全は高水流量だけでなく、治山の視点からも考える必要がある」といった意見もあった。

 この日の懇談会では議論を尽くせず、次回も引き続き治水計画について意見を交わすことにした。基本高水流量の算出など計画のより専門的な内容について議論する小委員会の設置も検討する。

 【基本高水流量】ダムなどの人工的な施設で洪水調節が行われていない状態で、計画規模の降雨がそのまま河川に流れ出た場合の河川流量。簗川の治水計画では100年に1回起こりうる洪水の流量として780立方メートル毎秒を採用している。
※●はごんべんに念


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします